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第3話

奏弥は織田家の座敷牢に入れられ、鎖につながれた。牢に入れられて数刻後、源之亟が座敷牢に来た。 「奏弥…ようやく会えたね、この日をどれだけ心待ちにしていたか…」 「あ、兄上様…」ビクッ 源之亟の表情はとても冷たく、奏弥は震えた。 「奏弥、私が怖いのかい?そんなに震えて…」「兄上様…なぜ父上様を死に追いやるようなことをなさったのですかっ?」 「それはもちろんそなたが憎いからだよ。何の苦労もせず幸せに育ったそなたが許せないからだ。私のお嫁さんになるという約束も忘れたのかい?」 源之亟は齢8の時に織田に養子としてきた日から今までとても厳しい教育を受けさせられ、さらには信長の奥方にいびられていた。自分は今まで苦労してきて、さらには実の父親である源弥にも見捨てられたことから、今まで家族で仲良く過ごしてきた奏弥が許せなかったのだ。そのため、潰さなくてもよかった霧生家を潰し、奏弥を織田家に連れてきた。もちろん、奏弥を苦しめるために。 「奏弥、君はまだ発情期が来ていないようだね…?」 「兄上様がなぜ知っておられるのですか…!?」 「君のことはすべて調べているよ。発情期もまだ来ていないから毛利のαのもとに嫁ぐことができなかったのだろう?」 そう、源弥が毛利へ伊根を渡したのは奏弥に発情期が来ていなかったからだった。 「………」 「大丈夫だよ、すぐに私が番ってあげるからね、奏弥」 「えっ……!?」 「まあ、すでに正妻はいるからほかの者に相手をさせるがな」 「嫌でございます!それだけはどうかっ!兄上様だけがいいですっ!」 「何を言うのだ、私はそなたが苦しむのが見たいのだ。もうそなたを逃がすつもりはない。約束通り私のお嫁さんにして永遠にこの私が飼ってあげよう、感謝するといい。」 その時、源之亟の側近である5人のαが興奮した状態で来た。 「お前たちどうしてヒートに?ああ、妻の発情期がはじまって当てられたのだな」 「はあっ……ビクッ 体があつい…どうして…」 奏弥はαのヒートにあてられて発情期が始まってしまったのだ。 「ふふふ、こいつらにあてられたか、そうだな、こいつらを慰めてやれ、奏弥」 「なっ、嫌でござい…はっ……ます」 「おい、お前たち、こいつのうなじを咬まなければ何をしてもよいぞ、死なぬ程度にな」 「よいのですか?毛利からわざわざ連れてこられたものですよね?」 「よい、苦しめるために連れてきたのだから…」 「そうなのですか」 「ならば遠慮なく……」 「あにうえさま……っ」 それからの時間は、ただただ地獄であった。 座敷牢の中には、奏弥と側近の男が5人入っていた。奏弥はもう数え切れないほど口と後ろで男を受け入れた。今、奏弥は男2人が膝立ちしている間でされるがままに揺さぶられていた。男が動くたびに持ち上げられた足が揺れ、悲鳴が漏れていた。 「ひっ…もぉ…やぁ…ゆう、ひて…」 「ほら、出すぞっ…ぅ…」 「俺も出るっ…」 2人の男は同時に奏弥の最奥まで勢いよく突き上げると身を震わせた。 「……………っ」 何度目かわからないほどの精を受けた奏弥は声を上げることもできなかった。 「出したのなら早く代われよ」 「ちょっと待てよ、ほら」 2人の男が自身を抜くと奏弥は支えるものがなくなり、力なく床に横たわる。次の男が奏弥を起き上がらせ四つ這いにさせると、そのまま一気に最奥まで突き上げた。 「やぁっ………!」 「あー、中どろどろだな」 「上の口が空いてるぞ、だれか入れてやれ!」「ゔっ……ゔぁ……」 奏弥は前後を同時に責められ、意識がもうろうとしていた。 「おや、随分可愛いがられているじゃないか…」 「あ、にさま……たす、けて…も…やぁ……」 源之亟は座敷牢に来ると、側近の男たちに犯すのをやめさせると奏弥に近づいた。 「無様だな……、奏弥、とても似合っているよ。そろそろうなじを咬んで番ってやろう。私が相手の性交でなければ苦痛を感じるようになってしまうがな…」 源之亟はそう言うや否や奏弥のうなじに歯を突き立てた。 「あぁぁぁぁぁぁっ!」 奏弥は尋常でない衝撃に絶叫し、気を失った。 「ふふふ、これで私たちは番だね、奏弥。ようやくお嫁さんになってくれたね。気が向いたときに抱いてあげるよ」 源之亟はそう言って座敷牢を後にした。 それからも毎日、奏弥は様々な男たちに抱かれた。以前と違うのはその男たちとの性交は奏弥にとって苦痛でしかないことだ。数か月経ったある日、奏弥は高熱を出して寝込んでしまった。男たちは、数日間気にせず奏弥を犯していたが、さすがに心配になって源之亟に知らせた。源之亟は奏弥を牢から出し、医者を呼んだ。 「源之亟様、この者は身ごもっておられます。」 奏弥は座敷牢で犯されている間に誰が父かもわからない子を孕んでしまったのだった。それを知った源之亟は奏弥に1室を与え、侍女の1人を世話係として付けた。源之亟はひどいことをしたなと罪悪感を感じ、目が覚めたら謝ってやろうと考えていた。そしてきちんと側室として扱ってやろうと考えていた。謝れば、また昔のように仲良くなれると信じて疑わなかったのだ。しかし、奏弥は10日後に目覚めると、心はもうぼろぼろで、感情が抜け落ちてしまっていた。 「兄上様?私を抱くのですか?」 奏弥は目覚めた直後に無表情で言った。源之亟は奏弥の心が壊れてしまったことにようやく気が付いた。幼いときのような無邪気な奏弥は消えてしまったのだ。齢8まで共に育ってきた時とは全く違う奏弥を見て、源之亟は奏弥を抱きしめた。奏弥の身体は信じられないほど小さく、そして細かった。 「あにうえさま?どうされたのですか?」 「奏弥……っ、すまない、すまなかった……」 感情のこもっていない奏弥の言葉を聞きながら、源之亟はただただ謝り続けた。 「奏弥、今日はとてもいい天気だぞ、青空がとてもきれいだ」 「………」 「綺麗な花も咲いてるぞ、庭を少し散歩しないか?」 「………」 源之亟はそれから毎日奏弥に話しかけ続けたが、奏弥の感情は戻ることなく日は過ぎていった。

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