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カレーパン(カレー×パン)

 砂漠にあるオアシス都市。そこにある白亜の宮殿の奥へと、一人の男が少し早足に向かっていた。  白いゆったりとした衣服から見える鍛えられた褐色の肌。真っ直ぐ長い黒髪が背で揺れている。白いターバンには大きな宝石が飾られている。  だがそんな派手な装飾に負けないほど、男は精悍で美しい顔立ちをしていた。彫りが深くしっかりと鼻梁が通り、金色の瞳は獣を思わせる鋭さがある。  だが同時に、男の浮かべる表情は甘く優しいものである。 「カーリア皇子」  宮殿の奥まった場所。それはこの宮殿の主の私室などがある場所だ。ここから先は決められた者しか入る事を許されない。  その手前で、男を呼び止める者がいた。  薄く脱色したような金髪を短くした、色白の青年であった。 「バサル、様子はどうだ」 「大分仕上がってございます。貴方様を呼んでおりますよ」 「そうか。今は誰がいる」 「バタータとジャザルがおります」 「手は出していないだろうな?」  柔和そうな男、カーリアの仮面が剥がれて一瞬鋭さが増す。  だがこれにも、バサルと呼ばれた従者は動じる事はなく、恭しく頭を下げるばかりだった。 「勿論でございます。丹念に香油を塗り、指で丁寧に解し、羽で触れるのみです」 「そうか」  バサルの答えに満足そうに頷いたカーリアは、急ぎ奥院の更に奥にある、王妃の部屋へと足を伸ばした。  美しいレリーフが施された扉の中から、既に甘い声が悩ましく聞こえてくる。なんて官能的な声なのかと、カーリアは焦る気持ちを抑えて扉を開けた。  中には一人の若い青年が、悩ましく淫らに身をくねらせていた。  小麦色の肌は香油によって照り輝き、大きな赤い瞳には真珠のような涙をためている。頬は上気していて、僅かに淫靡な匂いがした。 「あ……カーリア、様ぁ」  手はロープで緩くだが戒められている。おそらく自ら触って果ててしまうからだろう。それでも何度かは果ててしまったのだ。薄く肌が透ける特注のズボンは既に汚れている。 「我慢できなかったのかな、フブズ」 「申し訳、ありません……でも、気持ちよくて……」  フブズの目から真珠が一つこぼれ落ち、愛らしい小さな唇が謝罪を口にする。この状況にも関わらず、彼の細腰は僅かに動き、シーツに擦りつけていた。 「可愛いよ、私のフブズ」 「カーリア様……もう、ダメです。欲しい……貴方の事が欲しいのです」  後ろ手に縛られているものだから自由がきかないのだろう。フブズは寝台の上でゆるゆると腰を持ち上げて尻を振る。小ぶりで形がよく、ぷるんとした小麦色の尻がなんとも美味しそうに誘惑してくる。  カーリアが手を上げると、香油のツボを持ったオレンジの髪の従者と、ごろんとした坊主頭の従者が丁寧に頭を下げて出ていく。  それを合図に、カーリアはフブズのロープを解いてやった。  さすがは性技を仕込む従者だ、きっちりと仕上げても余計な事はしていない。肌を敏感にするスパイスをつけ込んだ香油を全身くまなく塗り、丁寧に後孔を解し、肌を羽でくすぐりはしても余計な手はつけていない。しかも尻を解し終わった後にもう一度履かせるという気遣いだ。脱がせる所から好きなカーリアの性癖を熟知している。  フブズは拘束を解かれてもグズグズで腰が立たない様子で崩れた。  つい半年ほど前までは性のせの字も知らない奴隷だったのに。  この子を見つけたのは、偶然町を見に行った時だった。薄汚れた衣服を着て、足に枷をはめられながら肉体労働をしているこの子を一目で気に入った。  小麦の肌にルビーのような赤い瞳。白い髪はこの時は汚れていたが、洗って整えれば輝くと確信した。  すぐにこの子を言い値で買い上げたカーリアは奥院に連れてゆき、体を磨き痩せた体を健康なくらい太らせた。細かった腕に肉がつき、頬がふっくらとしてきたら愛らしさは何百倍に増した。  すぐにでもこの子を抱きたかったが、まずは生活に慣れさせる事が先決。カーリアはできるだけ側にいて、色んな事を教えていった。  元来素直な性格なのだろう。フブズは乾いた地が水を欲するように様々な事を吸収していった。  そうしてようやくカーリアはフブズをハーレムの最初の一人に迎え、信頼できる部下三人に性技を教えるよう伝えた。  それがようやく、完全に仕上がったのだ。 「フブズ、愛している。覚えておきなさい。今後、お前に触れていいのは私だけだ」 「はい、カーリア様」 「よし、いい子だ」  顎を持ち上げると、フブズは素直に小さく可愛らしい唇を薄らと開け、柔らかな舌を差し出す。口づけてその舌を吸い上げると、甘い甘い声が響いた。 「たまらない……。私のフブズ」 「カーリア様ぁ」 「どうして欲しい? お前の望むものを与えよう」  甘く低く耳元で囁いたカーリアの、その僅かな吐息にすらフブズは体を震わせている。シーツの上に身をくねらせる彼は切れ切れの息で懇願した。 「欲しいです、カーリア様……貴方の熱いお印を、僕の中にお与えください」  涙目になったフブズが僅かに腰を持ち上げ、震える指で後孔を広げてみせる。中にまで香油を塗られ、ぬらぬらと淫靡に照り光った肉襞は綺麗なピンク色。誰にも犯された事のない聖域が、欲しい欲しいと蠢いている。 「あぁ、なんて綺麗なんだろうね。ここが、疼いて仕方がないのかい?」  カーリアは指を一本後孔へと埋め込んでいく。それだけでフブズは細い体を震わせ甘い声を上げている。愛らしい男茎、その鈴口からトロトロと甘露をにじませる姿は、なんと淫らなものなのか。  後孔はとっくに解れて柔らかく、カーリアの指を受け入れた。柔らかな肉壺は長い時間をかけて仕込まれたのだろう。柔らかく包み込みながらも吸い上げるようにうねり、時折キュッと締め付ける。熱いそこが早く欲しいと誘惑してくる。 「どこが欲しいんだい、フブズ」 「あっ、あぁ……全部です。全部が気持ちよくて蕩けてしまいそうなのです。早く僕のお腹の中を貴方でいっぱいにしてほしいのです」 「いけない子だね、フブズ。愛しい君にそのように言われたら、私は優しくしてあげられなくなるだろ?」  笑顔で言ったカーリアの理性は限界だった。早く目の前の可愛い獲物を食らいたい。この熱い腹の中に自らを埋め込み、奥の奥まで何度でも犯して注ぎ込みたい。その欲望がこみ上げて体を熱くしていた。  衣服を脱ぎ捨て、自らを握る。当然のごとく滾り、早く欲しいと我慢汁をにじませている。それをぴったりと、フブズの後孔へと押し当てた。 「あっ、あぁ! はぁあぁぁぁんぅぅっ!」  挿入の瞬間、漏れた声の濡れた響きが腰骨に響く。なんて甘い声で鳴くのだろう。  後ろから挿れ、腰を持ち上げて尻を叩くかのように打ち付ける。柔らかな肉襞が絡まって蠢くものだから、我慢を重ねた肉棒が勝手に暴発してしまいそうになる。  だがそこは堪え、カーリアは浅い部分を優しく突き上げてやる。先端に少し硬いものが擦れると、フブズは身を震わせて声を上げ、カーリアを抱き留めるように締め付けた。 「気持ちいいか、フブズ」 「あぁ、いぃ……いいっ! もっと、もっと奥に下さいカーリア様ぁ」 「あぁ、いいよ」  フブズの背に少し体重をかけ、一気に奥まで分け入るように突き上げた。瞬間、フブズはカッと目を見開いて高い声で鳴き、一気に強く吸い上げてきた。  カーリアの意識も僅かに白んだが、どうにか放たずに耐えた。だがフブズは限界だったのだろう。愛らしい息子からは白い花が散り、小麦の肌が汗をにじませしなった。  支えるように胸に回した指に、コリコリと心地よい感触が触れる。それを撫でると同時にフブズは更なる官能の声を上げ、肉襞を締め上げた。 「あぁ、だめですそこ! だめぇぇ」  ツンと慎ましくも硬く勃ちあがった乳首を指で摘まんで転がすと、一度放って萎えたフブズが復活してくる。  カーリアは乳首と中を一緒に刺激してやった。正直に言えば、腰はとまらないのだ。 「あぁ、だめぇ、イッてます……イッてるのに、またイクぅ!!」  細腰が痙攣し、肉壁が柔らかくも締まっていく。勃起したフブズの鈴口からは僅かばかりの精液が落ちるばかりで、最初のような勢いはない。カーリアが最奥を突けばその度に、ぴゅるっと白濁が落ちるのだ。 「愛らしいよ、フブズ。私がそんなに気持ちいいかい?」 「きもち……いぃです……」 「こんなに花を散らして」 「あぁ……カーリア様ぁ……お腹、熱い……」 「あぁ、そうだね。では、沢山飲むといい」  崩れ落ちた腰を持ち上げ、カーリアはただ自らの快楽を求めて奥を突いた。ぴゅるっとフブズから白濁が漏れる。その分を補うように、もっと奥へと自らを進めたカーリアは狭い部分の更に奥へと自らを押し当て、我慢していた全てを注ぎ込んだ。 「あっ! あぁぁ! きてます、カーリア様ぁ」 「くっ……搾り取られる……」 「あぁ……熱い……カーリア様が僕の中に……嬉しい」  恍惚とした表情のフブズは自らの腹がカーリアで満たされる事に幸福を感じているのか、しきりに腹を撫でている。その刺激も伝わって、カーリアはフブズの腹の中に最後まで己を注いだ。  抜け落ちた後孔が、情事の激しさを物語るようにぽっかりと開いている。そこから僅かに、注いだものがこぼれて垂れてきた。 「あぁ、勿体ない……カーリア様が下さったのに」 「なに、心配することはない。これではまだ足りぬからな」  笑みを浮かべたカーリアが甘い蜜水をフブズへと口移しで飲ませると、フブズは欲するように自らカーリアの口腔へと舌を差し入れ、隅々まで味わっていく。 「美味しいです、カーリア様」 「……まだ、腹は満たされぬか?」  問うと、フブズは大きな目を僅かに開き、その後で笑って寝台へと仰向けに寝転んだ。 「まだ足りません、カーリア様。僕のお腹が貴方のものでいっぱいになるほど、注いでくださいませ」  かぐわしい誘惑に、カーリアは当分勝てる気がしなかった。 END

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