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6:告白

公園に着くと、週末だからか子ども連れの家族がチラホラと見られた。流石に手を繋いでいるのは不信感をかうので手を離すと、それが嫌だったのか不意に腕を掴まれた。戸惑う俺に対し、少女の様に手を絡ませ楽しそうな奏。先程からの思わぬ出来事に動揺しつつも人のいないベンチを漸く見つけ俺達は腰を降ろした。風景を眺めていると、不意にツンツンとつつかれる。奏かと思い振り向くとそれは小学生くらいの子どもだった。じっと俺と奏を見つめ、そして聞いた。 『お兄ちゃん、お兄ちゃんと付き合ってるの??それともお友達だから手を繋いでるの??』 どうやら手を繋いで歩いているところから、腕を組んでるところまで見られていたらしかった。なんと答えようかと悩んでいると、隣にいた奏が答えた。 『そう、お兄ちゃん達付き合ってるんだよ。だから手を繋いで歩いてたんだよ』 『そうなんだ、バイバイ』 子どもは奏の答えた内容で納得したのか、すぐに立ち去った。俺は赤くなりつつ否定しようとしたが奏に見つめられるとそれも出来なくなった。考え込む俺と気まずそうな奏。暫くしてから、俺は漸く声を出した。 「…そのー……俺、急に言われて焦ったけどさ……ちゃんと言わせて欲しい。好きだよ?奏の事。一目惚れしたしね」 『……えっ、えっ……一目惚れ、ってホント?』 「ホント。」 色々考えた末、自分の気持ちを言った。言われた奏はまさかそんな事を言われるとは思ってなかったのか、また真っ赤になった。そして俯いていたかと思うと、顔を上げ一言、 『好き、です……』 と言った。微笑み、軽く頭を撫でると俺は手を取りそれから頬にキスをした。奏の嬉しげな照れた笑みを見つつ、強めに抱きしめたのだった。 〜完〜

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