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美波さんの癒し3

ピピッ…ピッ、ピチュッ…! 「…ん、何………あぁ…そうだった」 鳥の囀りで目が覚め、覚醒しきっていない頭で音のする方を確認する。 それはベッド脇のテーブルの上、柔らかいブランケットの中から聞こえてきていた。 「…おはよ、鳥……って、散らかしたな、お前。」 暖かい布団から抜け出しブランケットを捲れば、そこには青とグレーが美しい鳥の姿。 ケースの中に敷いていた紙はグチャグチャになり、入れていた餌も水もひっくり返っていたけれども… ピッ! 明るくなった途端に大きな鳴き声を上げると、プラスチックのケースをカカカ…!と器用に嘴で叩く。 まるで『出して!』と言っているようで、その可愛らしい姿にフフッと笑いが溢れた。 昨夜、届けに行った交番に確認した所、まだ飼い主からそれらしい届けは出ていなかった。 警察と話をし、飼い主が見つかるまでは俺が世話をすることにした。 自宅に帰る途中とりあえず近くの店でインコの餌を買って帰り、小さなお皿に乗せて与えた。 よほどお腹が空いていたのか、初めての場所であるにも関わらず無心で餌をつつく姿に、「誰も取らないからゆっくりお食べ」と語りかけたのが数時間前。 鳥どころか犬でさえ飼ったことは無いけれど、まぁ何とかなるだろう。 『助けがいるようなら言って下さいね』と手を差し伸べてくれる友人もいることだし。 今日は本来勤務だったけど、同僚に頼んで休みを取らせてもらった。 飼育ケースの蓋を開けると、待ってましたと中から飛び上がりケースの縁に鳥が止まる。 そのまま室内をグルリと飛び始めるのを確認し、顔を洗おうと立ち上がった。 すると飛び回っていた鳥が肩に止まり、首筋にトトト…と擦り寄ってきた。 「何、ついてくるの?」 話しかけても離れる様子はなく、そのまま羽繕いを始めだした。 カサカサという小さな羽繕いの音が耳に届く。 鳥ってこんなに懐くものなのか? 移動してもずっと肩に止まったままの鳥。その感じたことのない柔らかな温もりに自然と顔が綻んだ。 「今日はお前のちゃんとした家を買いに行かないとな。」 指先で頭をつつけば、ピッ!と大きな鳴き声。 「名前も考えないといけないしな。」 ピッ…ピッ! 「フフッ…お前、やっぱり言葉分かってるだろ?」 タイミングよく囀る鳥に、そう言わずにはいられなかった。

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