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第1話

「西園寺!!」 「はい!!」 「お前なぁ!!いい加減にしろぉ!!」 上司の三明に怒号を浴びせられる西園寺。この会社名物の光景だ 西園寺は仕事ができない訳じゃない。しかし何かとトラブルに巻き込まれやすいのだ 「西園寺!!営業先の娘に交際申し込まれて困ってる話をその親にするな!」 「だって!娘さん本人に言ってもしつこいからさぁ!親に言わないと!」 「口の聞き方がなってねぇぞ!」 「いや!だって!!」 西園寺は甘いマスク、そしてモデルのようなスタイルの持ち主。そしてなぜかいつもおかしな女性に愛されてしまう厄介体質だ。ちなみに同じ社の女性は耐性が付いたのか豹変するような社員はいない…というかそうなったものは今は皆…うん…然るべきところにいる 営業先を回ればそこにいる女をみんな虜にしてしまうしそれが度を過ぎれば皆猟奇的な人物に豹変させてしまう。 営業先の娘さんもその一人。上品なまさに大和撫子そのもののような人だったのだが… その人に交際を申し込まれた西園寺はお断りしたのだがそれからつきまといや嫌がらせが始まりつい先日は自宅に上がり込まれていたと言うのだから厄介だ 「だいたいなぁ!お前が最初の時点でこっぴどくお断りしておけば避けられただろ!」 「そんなことしたら取引にも支障が出るって思ったから!」 「結局そうなってんだからな!」 「だけど…俺は…」 「あ…あの!三明課長」 「どうした?鴨志田」 鴨志田は西園寺の同期でどちらかと言うとおとなしい感じの奴だ 「…この件に関しては西園寺は被害者なので…」 「わかってる!わかってるけど!」 「はいはいはい!!そこまでにしてあげなさぁい三明くん」 これもいつもの光景で… 「花道部長…」 この花道が止めにはいるところまでがいつもの光景だ。 「先方には私の方からお話ししたので大丈夫ですよ。西園寺くん。その容姿や性格も困り者ですね」 「すいません…」 「いえいえ。いいんですよ。あとでたーっぷり頂くものは貰いますから」 「…っ…はい…」 「はい!みなさんお仕事に戻りますよぉ!」 パンパンと手を叩いたのを聞き皆各々のデスクへ戻って行った

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