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優先順位

「ナオちゃんが店舗ごとにまとめてくれてたし、なにより早くナオちゃんに会いたかったから頑張ったんだよ?」 ジャケットを脱がせてくれるナオちゃんに悠貴は優しく言うと、顔を真っ赤にしながらも不満そうにするナオちゃん。 「でも、4時間ぐらい掛かる計算であの量にしたんやで? チーズケーキも冷やしたばっかやし、唐揚げも今揚げ始めたしやなぁ」 「ナオちゃんは俺より料理の方が大事なの?」 悠貴の左腕にジャケットを掛け、ネクタイを外しにかかるナオちゃんを見て悠貴は顎を上げながら淋しそうに言う。 ナオちゃんは慣れた手つきでシュルリと首から取り、ジャケットの上に重ねてから悠貴を見た。 「ユタカの方が大事やけど、美味しいもの食べさせたいんやもん」 はよ着替えてきてやと冷たく言ってナオちゃんはまたキッチンへ立つ。 悠貴はニヤリと笑い、ジャケットとネクタイを椅子にかけ、後ろからナオちゃんに抱きついて右耳を舐め始めた。 「アッ、やぁ……から、あげぇ……して、りゅッ」 ビクビクと身体を揺らすナオちゃんを無視してペチャペチャと立つ音はパチパチと跳ねる油の音に負けないくらい部屋に響く。 「こんなんで反応するなんて……我慢してたんだね」 低くて甘い声で囁きながら右手を身体と布の間から忍び込ませる。 「ここ、パンパンじゃん……破裂しそう」 男にしか付いていないアレに悠貴がやわやわと触れるだけで、ナオちゃんの目が虚ろになっていく。 「アッ、あか……アッ、アッ」 揚がる音が変わったのがわかった悠貴はナオちゃんの頭に顎を乗せ、鍋で揚げられている唐揚げの様子を見る。 「ちゃんと見てないと唐揚げ焦げるよ」 あかん子やねぇと柔らかい関西弁で言うと、ナオちゃんははいと素直に言い、菜箸で唐揚げを揚げ物バットへと持っていった。

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