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藍京部長
「うん、オッケーだよ中居くん。 これ、商品企画部長に渡してきて」
長い腕を伸ばして渡された資料を5cm長い腕で受け取った悠貴。
ありがとうございますと言って右に書類を置いたら、短い腕でひょいと取られた。
「ちょうどアイちゃんに会いたいと思ってたから、ありがとう……中居センパイ」
クスクスと笑いながら立ち上がる青波さん。
「ちょっと、横取りすんなって!」
取り返そうとする悠貴をさらりと避けて、青波さんは歩いていく。
「すいませ〜ん、竹富課長いますか?」
静かにドアを開けて現れたのは藍京部長……藍京未希 だった。
茶髪のパーマの童顔が印象的な彼がナオちゃんより偉い商品企画部長で青波の恋人とは誰が思うだろうか。
「アイちゃん、ちょうど良かった。ちょうど会いに行こうとしてたのよ」
「その呼び方やめて〜ここは仕事場!」
無理矢理外へ押し出そうとする青波さんに恥ずかしそうに抵抗する藍京部長。
「大丈夫よ。だってここは……ゲイばっかりだから」
こっちを見て言う青波さんは含み笑いをする。
「さっ、私たちもイチャイチャしましょ」
ふふふと笑いながら出ていった後、静かにドアがしまった。
「あれは……デキてるっすね」
「絶対マネできないな」
悠貴と伊月先輩は同じようにうなずいた。
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