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俺とロデオマシーン:5

「騎乗位、やったことねえじゃん? いっつも、なし崩し的に息子からチンポいれられてます。被害者ですって顔してるだろ。……自分で入れて、腰振れよ。ロデオに乗ってイメージトレーニングは出来てんだろ」    いまだに父親意識があるせいで、息子からの挿入に少し抵抗することがある。俺の抵抗など気にすることなく犯してくれる優しい息子だが、今日はそんなポーズは許さないらしい。俺の醜悪な本性をさらけ出せと言ってくる。    大事な息子のペニスを下の口で食べたいと身体は確かに訴えている。あさましい欲求は息子に知られてしまっている。それなのに自分ではまだ「俺は父親だ」と、そう、主張しようとする。息子はその欺瞞をゆるさない。あるいは、ゆるしてくれているからこその催促だ。   「ほら、寝てやったんだから、さっさと入れろよ。欲しいんだろ」    床に寝転がっているのに上から目線な息子の言葉にドキドキしてしまう。ソファ横のちょっとした棚の中に常備しているローションを自分で取り出して息子のペニスと自分のおしりの中に塗り込んでいく。貞操帯を外す許可を息子は与えてくれていない。    完全に勃起することない役立たずなペニスを息子の眼前にさらしたまま穴の快楽を得ようとしている。性に狂った自分の姿が息子に見られると思うと堪らなく気持ちいい。    ゆっくりと見せつけるように腰を下ろして息子のペニスを迎え入れる。息子の視線に羞恥心が刺激される。完全に挿入できず、中途半端な位置で止まる俺に「スクワットして見せろよ」と煽る息子。    冷静に俺を見上げている息子と息を切らせて顔を真っ赤にしているだろう俺。    自分の息遣いがやけに大きく聞こえる。いつも以上に息子のペニスの形が伝わってくる。自分のペースで腰を下ろしているからか、興奮しながらもどこか、冷静にゆっくりとペニスを味わえてしまっている。快楽に翻弄されるのではなく、舌先で転がすように楽しんでしまっている。    今までずっと相手に主導権を渡して俺は振り回されてきた。騎乗位ですら、彼女の指示通りに動くスパルタなものだ。あれはあれで気持ちが良かったが、ストレス発散の運動の側面が強かった。   「全部入れるのに時間がかかりすぎだろ。ディルドをずっぽりくわえこんで余裕なゆるマンビッチなアナルが何をもったいつけてんだよ」  息子の口から下品な言葉が飛び出すたびにビックリする気持ちと同時に、俺のためにしてくれているんだとあたたかな気持ちになる。どんな態度であっても息子が俺を思ってくれているのは間違いない。    胸を熱くしている俺を尻目に息子は股間を覆うカップのようになっている貞操帯の一部を外した。    どうするのかと思ったら胸ポケットから尿道プラグをとりだした。見覚えのあるケースなのですぐに分かる。消毒した尿道プラグを俺に許可を求めることもなくペニスを串刺しにする。彼女が亡くなってから尿道いじりは殆どしていなかった。久しぶりの感触にぞわっと背中が粟立つが、息子は気にすることなく「スクワットじゃなくてロデオマシーンみたいに揺れてみろ」と命令してきた。    どうなるのか、結果は分かっている。    尿道プラグの外に出いている部分にはおもりが引っかけられるようになっている。  その状態で激しい上下運動をすれば、どうなるのか、考えるまでもない。身体が危機感を思い出して緊張する。   「ほら、はやく」    悪魔のようなことを言うかわいい息子。何をしても、息子であるというだけでかわいい。どんなことをされても、息子であるというだけで愛おしい。    腰は上下に小刻みに動かしているだけなのに尿道プラグのおもりに引っ張られるようにして、勃起したペニスが予測のつかない動きをする。プラグによって内部が傷つくのではないかという恐怖と期待。取り返しのつかない身体になってしまいたいと俺はいつでも思っている。    尿道を道具を使ってこじあけられ、封じられ、射精できなくさせられている情けなさ。  情けない俺を美化することなく変態だと罵ってくれる息子。俺は自分の性癖に息子を巻き込んでしまっている。罪悪感を覚えているのに満足感がある。見捨てずに傍にいてくれる息子の姿に救われる。   「もう、おっさんだから踏ん張りが利かねえの?」    俺の動きが遅いのか、息子が下から腰を突き上げてきた。  尿道プラグのおもりが揺れすぎる。   「もっと、ロデオに乗ってるみたいにゆれてみろよ」 「ひぅ、ひぃ、ちんぽが、ちぎれ、ぅ」 「腰を左右に振ってるからおもりにチンポが引っ張られるんだろ。自業自得じゃん。自分でチンポいじめて楽しんでんなら、オナニーじゃねえ?」    後先を考えないプレイは問題だと頭の隅で思っている。それなのに、自由になっている手でペニスに添えたり、尿道プラグのおもりを取ったりということをしない。    ダメにされたい、壊されたい、そういった欲望が身体中から湧き出てくる。    もし、ペニスに触れられる許可を貰えたとしても、それは安全のためじゃなく、射精感を高めるために動くだろう。  前立腺を圧迫されながらぺにすをしごくと白目をむくほど気持ちいい。   「リビングで息子をレイプしてる父親の図だよな。誰かに見られたら言い訳できねえな」    息子のその言葉で達してしまった。尿道プラグのせいで精液は外に漏れない。射精がおあずけになったことで、物足りなさがあるが、息子に中で出されて、これ以上にない達成感を得た。    俺の締め付け方が唐突だと息子に罵倒されながら、その後に体勢を変えて何度も犯された。    自分の出すタイミングではない射精が、息子からするとゆるせなかったんだろう。理不尽な気はするが、ちょっとかわいいし、乱暴に腰を動かされてぞんざいに犯されるのは最高に気持ちよかったので、文句は一つもない。    妻である彼女が亡くなってしまったことは悲しいが、俺には最高の息子がいる。それはとても誇らしい。

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