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番外:下鴨家の人々 「次男」1

下鴨弓鷹視点。 ※番外編は時系列順に並んでいない可能性があります。  家族仲は良いと思うし、不自由を感じたことはない。  ただ隣に住んでいる祖父母のことはあまり好きではなかった。  木鳴の曽祖母は好きだ。  これはコウちゃんの感じ方のせいかもしれない。    コウちゃんは自分の両親を好きなようには見えない。  どこか他人行儀でよそよそしい。  逆にヒロくんのおばあちゃんのことは大好きだ。  コウちゃんは好き嫌いがすぐに表情に出る。    木鳴のおばあちゃんに対していつも楽しげに笑いかけている。  これはヒロくんネタで盛り上がれるからかもしれない。  定期的にヒロくんアルバムを持って木鳴のおばあちゃんはやってくる。  コウちゃんにとってはうれしい時間みたいなので俺もうれしい。  毎日顔を合わせる下鴨の現当主であるコウちゃんの父親、俺にとっての祖父をヒロくんは全面的に信頼しているようだけれど俺はうさんくさく感じる。  それは、おじいちゃんと呼ぶにはあまりにも若すぎるからかもしれない。  こっそりとコウちゃんに下鴨の人たちと馴染めないと告げると「鈴之介もああなるから許してやれ」と謎な返しをもらった。  ヒロくんは言葉が足りない。けれどコウちゃんは自分だけに分かる言葉を勝手に作りだしたりする。だから会話が成り立たないことがある。  それでも、産まれたときからの付き合いなのでコウちゃんが何を言いたいのか何とか理解しようとしてる俺はけっこう偉い。  弘子は最初から考える気はなく兄貴に至っては考えすぎて遠回りしている。  きっと兄弟の中で俺が一番コウちゃんを理解している。コウちゃんに一番近いのは俺だ。  周期的にどんよりしだすコウちゃんを弘子はヒロくんに押しつければ全部解決すると思っている、が俺は知っている。    コウちゃんは動物園か水族館に連れていくと元気になる。  ちなみにヒロくんは子供服売り場にいくと元気になる。  兄貴も俺もヒロくんにうんざりしていたが今は弘子がいるので楽だ。  楽しそうにヒロくんと弘子は服を買っている。  妹が生まれて心の底からよかったと兄貴と喜び合った。  

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