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二
「栄司 くん、いいところにきた。ちょっと冬式委員長の部屋に入れてくれ」
「副会長さん?」
授業が終わったら恋人である風紀委員長の部屋に行くのが俺の日課だ。
部活に参加していないし、遅くまで図書室や自習室にいると無駄に絡まれてしまう。
平和に生活していくための対策は当然必要になる。
俺は恋人である風紀委員長の庇護下に全力で入ることにしている。
合鍵で彼の部屋に先に帰ってご飯やお風呂の用意をして彼を待ちながら勉強をするのがいつものことだ。
「風紀の書類を部屋に忘れたらしい。私も寮に戻る予定があったから取ってくるように頼まれてね」
「はいはーい、了解です」
副会長さんは理知的な眼鏡男子だが人の尻の形をコレクションする変態だ。
俺の見た目がそこまで上ではなく平平凡凡であっても気にしないで気軽に話しかけてくれる。
重要なのは顔面ではなく尻だからだ。
同級生だからかもしれないが生徒会の中で副会長だけは友達だと言っていい間柄だと思う。
尻への愛は理解できないが友達だ。
元々、理解を求められていないので友達のすべてを受け入れる必要はないのかもしれない。
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