15 / 124
第15話
「っちょ、冬馬!いつまで手繋いでんだよ」
「え?あ、ごめん」
俺が繋いでる手をブンブン振って離せと言うと、今までが無意識だったかのような反応をしてパッと素直に手を離した。
「お前、なんであんな煽るようなこと言ったんだよ」
「だってムカつくだろ、俺から遥斗取っていったのに遥斗をこんなに悲しませてるなんて」
「...だからって」
「本当は会ったら1発殴ってやろうかと思ったのに、そうしなかっただけでも褒めて欲しいね」
「っ、は?!」
過激なことを言う冬馬に振り返って顔を見ると冗談を言っている顔ではなかった。
「ほら、家ついたぞ」
「あ、あぁ送ってくれてありがと...」
そう言って家の鍵を開けて家の中に入る。
ともだちにシェアしよう!