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第34話
恐れていたことは突然やってきた。
「あのさ、ちょっと話があるんだけど」
誠に別れ話をしてから数日、俺の思いとは裏腹に誠がべったりの日常になっていた。
誠は今まで唯川といっしょにいた時間のほとんどを最近は俺と一緒にいて、俺自身もそれを断り切れずにいた。
そんな俺らにしびれをきらした唯川が放課後俺に声をかけてきた。
「あんた、この間から誠君の周りにちょこちょこと表れて、どういうつもり?」
「いや、どういうつもりって…」
むしろ付きまとわれてるのは俺のほうというか…
別れ話したばっかで…
なんてことは言えず口ごもっていると
「誠君には僕がいるんだから邪魔しないでよ!」
俺的には邪魔するつもりはないし、ちゃんと別れ話したし…
そういうことは誠本人に言ってほしい
「とにかくそういうことだから、これ以上邪魔するなら容赦しないからね」
そういうと唯川はいつもの顔には似合わない恐ろしい顔をして帰っていった。
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