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第46話
「立てるか?」
「身体、あつい…」
「薬使いやがったのか…!とりあえず帰ろう。ここじゃ何も出来ない」
「…ん、ありがと、冬馬」
なんで冬馬がここまで来れたんだろうとか、この人たちどうなるんだろうとか、一瞬頭をよぎったけど身体が疼いて何も考えられなくなった。
冬馬は立てない俺を横抱きにして冬馬の学校のブレザーを被されると教室を出た。
周りからチラチラ見られていたような気がしたけど、気がつくといつの間にか俺の家の前にいた。
「遥斗、鍵どこに入ってる?」
「ぁ、ブレザーの、ポケット」
「了解」
俺を抱えたまま器用にドアを開けると俺の部屋まで連れて行ってくれて、そのままベッドに寝かせてくれた。
でもこのまま寝れるはずもなく、熱を持った身体が疼いて仕方なかった。
「冬馬、あつい…たすけて……」
「…わかった。後で文句言うなよ」
初めは難しい顔をしていた冬馬だったが、俺がねだるとニヤッと笑った。
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