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第55話

「っあ、ごめん!」 ぼーっとしながら廊下を歩いていると、角のところで誰かにぶつかった。 「あ…遥斗くん……!」 「え?」 なんで俺の名前知ってるんだ? 「こんなとこで会うなんて運命みたいだね」 「……?」 何言ってるんだろうこの人 見たこともないし話したこともない気がする。 「そうだこの後一緒にご飯とかどうかな?きっと楽しいよ」 「いや、この後用事があるんでちょっと…」 そう言って横を通り過ぎようとすると、腕を掴まれた 「待って!その用事って俺より大事なこと?」 ……? 本当は特に用事はないけど、なんでそんな自分が一番みたいな言い方するんだ? 気持ち悪くなって腕を振り払いダッシュで逃げると俺の名前を叫んでいたけど振り返らなかった。

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