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第8話

「遥斗のことどう思ってるの?」 ある日の放課後 二人きりの教室で真剣な面持ちの誠に聞かれた。 ほかのクラスメイトはもう帰ったし遥斗は日直で日誌を職員室に出しに行っているところだ。 「どうって…誠と同じだと思うけど?」 「やっぱり」 「でも安心しろって、俺は遥斗に伝える気ねぇから」 「え、何で?」 「いいんだよ。お前のこと応援してやっから」 これはせめてもの嫌がらせだった。 遥斗が誠を選んだんじゃなくて俺が誠に譲ったんだって 少しでも、心の片隅にでも思わせたかった。 「その代わり、遥斗悲しませたらすぐかっさらいに行くからな」 「そんなことしないよ」 「じゃ、約束な」 「あぁ」

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