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第9話
「おい冬馬!部活行くぞ!」
俺と誠の二人きりの所に怒鳴り込んできたのは俺と同じバスケ部の皆川月菜(みなかわ るな)だった。
実は俺は部活に入っていて誠と遥斗は入っていない。
バスケは小学校で少しやっていたくらいだけどまぁ結構うまい自信がある。
「悪い、すぐ行く。
じゃあな 誠」
「また明日」
まだ遥斗を待っている様子の誠に一言別れを言うと月菜と体育館に向かった。
月菜はどこだかの国のハーフで日本人離れした綺麗な顔立ちをしている。
当然月菜を狙う女子、中には男子も少なくない。
だけどツンケンした態度と一人っ子だからなのかわがままな性格で一部から嫌がらせを受けていたりもする。
本人は全く気にしてないようだけど…
「…何見てんだよ」
「や、別に」
ま、月菜にはちゃんと騎士(ナイト)がいるから大丈夫だ。
「早くしないと俺まで先輩に怒られるだろ」
「先いっててもよかったのに」
「別にお前を待ってたわけじゃない!たまたま教室の前を通ったらお前がまだ中にいたから遅れるぞって注意してやっただけだ!」
「はいはい」
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