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第10話
「んじゃ、おつかれ~一年戸締り頼むなー」
練習が終わると先輩達はすぐに帰り、一年が片付けや戸締りを確認して帰る。
「はぁ、疲れた…しんどい…やめたい……」
「お前それ口癖だな」
「何で俺バスケ部入ったんだろう」
月菜は練習が終わると毎回これを言う。
なんだかんだ言いつつ半年続けられてるんだから本気で辞めたいわけじゃないんだろうが…
「もう無理だ…大体なんで一年が片付けんだよ、早く帰らせてくれ」
「今日はもう大丈夫だから帰っていいぞ」
「別に…お前らに任せてまで帰りたいわけじゃない!」
「今日も待ってんだろ?あいつ」
「き、気持ちわりぃこと言ってんじゃねえよ!一緒に帰ってるわけじゃねぇ!あいつが着いてくるだけだ!」
あいつ…
まだ付き合ってないみたいだけど、二人ともあからさま過ぎるくらい意識している。
なのにお互いの気持ちには気づいていない鈍感なのか、ヘタレなのかどちらからもそういう話をしていないらしい…
「おー月菜!冬馬!お疲れ~」
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