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第11話
「おーやっぱり待ってたか」
案の定忠実に姫を待っていた『騎士』は体育館の壁に寄りかかっていた。
「じゃ、月菜は連れて帰るから」
「は?誰がお前と帰るか!離せ!バカ!」
「バカは言い過ぎじゃない?!」
「うるせぇ!黙って帰るぞ!」
言ってることが滅茶苦茶だ…
でも何だかんだ毎日こんな会話をしながら一緒に帰ってるあたり微笑ましい奴らだよな…
俺は校門を出て二人と別れると、そんな二人の背中を見て羨ましく、少し恨めしく思った。
「あ、冬馬おかえりー」
家の玄関を開けると俺の家でのんびりくつろいでいる遥斗がいた。
「さっきスーパーに夕飯の買い物に行ったらたまたまおばさんに会って、夕飯食べにきな~って言われたから来ちゃった」
「あぁ、そうだったんだ…」
お節介なうちの母は、たまに遥斗をこうやって俺のいない間に家に呼ぶからそんな物珍しい事じゃないけど…
今はちょっと…
「冬馬と一緒に食べようと思って待ってたんだ」
「じゃあ食べるか」
部活で帰りの遅い俺は最近一人で飯を食べてたから誰かと食べるのは久しぶりだった。
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