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第18話

「おい冬馬、どうにか出来ないのか?あれ」 部活中、先輩が指をさしたのは体育館の小窓からこちらを覗いている翔琉だった。 その手にはスマホが握られていてカメラがこちらを向いている。 俺が放課後一緒に帰ってやると言った日からこうやって覗いていて、先輩もさすがに痺れを切らしたようだ。 どうにかって言われても俺も散々注意をしているのに、だ 「あーすいません。ちょっと行ってきます」 練習の休憩のタイミングで走って翔琉の方まで行く 「…おい、何やってんだよ」 「あ、冬馬様!おつかれさまです」 「おつかれじゃねーよ、覗くなって言ってただろ」 「つい…えへ」 「はぁ…待つなら教室で待ってろ、それが嫌なら先帰れ」 えぇー!なんて叫んでいるのを無視して練習に戻ると、いつの間にか翔琉はいなくなっていた。

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