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第17話

「冬馬くん!お昼食べましょう!」 それから毎日こいつは俺のそばに居る。 教室で「冬馬様ー!!」なんて叫ぶもんだから人前で様はさすがにやめろと強く言ったらやめてくれた。 まぁ二人になると様をつけるが… 「あ、冬馬様のお弁当今日もおいしそうですね!」 「あぁ」 「お母様料理上手そうですもんね」 「なんだよ、見たことあるのかよ…」 「はい。前にちょっと…えへ」 えへってなんだよ怖いだろ まぁこいつははじめから嫌な予感はしてたけど入学してからずっと俺をストーキングしていたらしい。 だから始めて弁当の中身を見た時に「あ、これいつも入ってますよね」と言われた時はゾワっとした。 「帰りつけてたのか?」 「…はい」 すみません、と照れ笑いしながら言われても全く反省の色を伺えないが… 「待つなって言っても待ってるんだろうな」 「はい!」 「どうせ待つなら一緒に帰ってやるから後ろはつけるな」 「え、いいんですか?!」 部活終わるの結構遅いんだけどな… いつもそれまで待ってたのか。 翔琉に俺と付き合いたいのか、と聞いたらそうじゃないと言われた。 要はアイドルを見るようなものらしい。 だから俺もこうやって拒絶せずにいる。 なんだかんだ面白いやつだしな。

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