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第10話

翠side ぼんやりと思い出して心が痛くなるのは今日会った人が僕のタイプ過ぎたからか……。それとも憧れを抱いたからか……。 僕の父親は厳しい人だった。男らしくなれと言われ、可愛いものから遠ざけれていた。中学くらいから男子校で女の子に出会う機会もなかった…。 (ああ、やだな……) その反動か、僕は可愛いものや女の子みたいになりたいと思うようになった…。 もちろん。父親には酷く罵られ家から追い出されたけど…。大学は学生寮のあるところで問題ないが、お金を貯めなきゃいけないからアルバイトを掛け持ちだ…。 (もっとカッコよくなれたら…。あの人が憎い……) "男らしくなりたい"と思いながら、"可愛いものに囲まれて"過ごしていたかった…。不安定な心を落ち着かせなきゃと手を伸ばすのは、お気に入りのぬいぐるみだ……。 (なんか、イライラする……) 今夜もまた眠れないのかと悲しみを抱きながら長い夜が明けるのを待っていた……。 (あ、育成ゲームのイベントきてるんだった…。イベント走らないと…) スマホを取りにベットに戻りそのまま走らせていたが、欲しいものはドロップしなかった…。それが余計に悲しさを増幅させて… (あー、ダメだ甘いもの食べたい!) もう少しで朝が来るだろう……。空が白くなり始めたし…。夜が明けたらコンビニにケーキでも買いに行こ……。

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