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第9話

晴翔side 嫌な予感はしてた……。当たらないで欲しいと願いながら、眠りについたんだ…。 「お前、またリボンなんかつけてんのかよ」 「男のくせに気持ち悪りぃー!」 「自分が可愛いとか思ってんの?引くわー」 「……はっ…、はぁ、はぁ……」 (…………夢…か……。はぁ…嫌な事思いました……もう、寝たくねぇ……) そう思ったらもう寝る気すら起きなくて、起き上がる。夜中の3時…。テレビをつけたら砂嵐…。なんて事はないが、見たいものもなく夜中の通販番組を垂れ流す…… 冷たい水が喉を通り渇きを潤してく…。あぁ、生まれ変わりたいな…。 (今日、会った子、可愛かったな…。あんな風になりたかった……) 女の子が両親は俺を女の子のように育てた。俺は幼すぎて、それが普通だと思っていた…。保育園にはいかなかったし、違和感もなく過ごしていた。 小学校に通い始めると、周りの男の子と違うことに気づいた。そして、妹が出来た……。両親は俺のことを見なくなった。可愛くなって気を引こうとしても見てくれないし、周りの子からは笑われて、気持ち悪がられた……。 『女の子なら良かったのに…』 何気ない母の言葉は鋭く突き刺さり、深く俺の心を抉った…。それからは、"女の子として生まれたかった"と思いながら、"カッコイイ男の人" になろうとした。 その矛盾は俺を傷つけ、不眠症になった…。今も治らない。心と身体がバラバラになる感覚で眠れない…… (あー、イライラする) 石榴の香に火をつけて、ぼんやりと眺める……。暗い室内に光る小さな熱と、ふわりと香る煙の匂い……。 深く息を吐きながら、揺れ登る煙を眺めて、ゆっくり眠りたいと思う……。 (……あっ…、イベ走らないと…) PCを立ち上げてヘッドホンとマイクを用意した。夜10時ごろいつも通話しながらゲームをするフレンドもログインしてた…。 (やっぱりフレもインしてるわ…) イベントの時間は「22:00〜12:00」「2:00〜4:00」「6:00〜8:00」と分かれている。俺はいつも10時のに潜ってるが、フレは全部潜るって言ってたからな…。 通話を繋げてゲームを始める…。こんなことしてるから余計に眠れないのかも知れない…。

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