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第10話
────翌日
『はあああ……』
冷静になった俺は激しく後悔していた。
なんで俺は昨日……部長の提案を
OKしてしまったんだろう……
『どした?泉。具合でも悪いのか?』
能天気に梶が聞いてくる。
こってりボリューミーな カツ丼&うどんセットを
もりもり食べながら…
『でさでさ~、彼女がさ~♪』
そして、彼女とのラブラブエピソードを
デレデレ ノロケながら……
『はあああ……』
最悪だ………
あんな話、受けるんじゃなかった……
『……なんだよー♡可愛くね?可愛いよな♡』
『ああ……そーだな……』
くっそぉ……
幸せそうな顔しやがって……
俺は 素うどん ですら
喉を通らないっつーのに……
『はあああ………』
『………?おい…本当に大丈夫か?
……病院行くか?』
『………え?…あー、いや……大丈…夫。』
『……本当に?』
おっと。
心配かけちゃ悪い…よな…
急いで うどんを 口に運んで
なんとか飲み込んだ。
『……本当に大丈夫か…?無理してない?』
『ん、大丈夫。ちょっと寝不足なだけ…』
『…………なら いいけど……
無理すんなよ?ツラかったら すぐ言えよ?』
『…………うん、ありがとう。』
『本当に本当に無理すんなよ?』
『……うん。』
ああ……
やっぱり、梶は優しくて いいヤツだ……
やっぱり…梶には彼女と幸せになってほしい……
『梶、俺……頑張るよ。』
『………は?いや、無理すんなって…』
『いや、頑張る…俺、頑張る。』
梶 ( と、彼女 ) の幸せは
俺が絶対に守ってみせる……!!
改めて、そう誓う俺であった。
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