その場所に指が這う。 「初めてじゃないくせに」 からかうような口調が憎らしい。 だから俺は言ってやるんだ。 「残業はしない主義なんだ」 退社時刻は過ぎている。 「サービス残業という言葉を知ってるかい？」 「それ、ブラック企業」 「お前を私のものにできるのなら、腹黒にもなるよ」 「……最初から黒いくせに」 「なにか言ったかい？」 フムフモォ～ 無理矢理、唇を塞いで。 舌を絡めとられて、口内を蹂躙する。 こんなのキスじゃない。 「そうさ」 わずかに離れた瞬間に酸素を吸い込んだけれど。 また強引な唇に唇を奪われる。 呼吸を奪われて、熱を帯びた思考が痺れる。 「全部、私のものにしたいと言っただろう」 だから…… 「思考も奪うよ」 お前が私を求めたんだ。 奪われる事を…… 「下半身の熱、私にこすりつけたらどうだい」 「そんなの、できるわけっ」 アウっ 「言っただろう。私は膨らんだものをツンツンするのが好きなんだ♪」 繊細な場所…… 指がツンツンしてくる～ 「さぁ、いつまでツンツンだけで我慢できるかな？」 「ソコはっ」 「うん。亀頭だね」 「フヒ」 「お前の亀頭は半分しか出ていないね」 「言うなぁ」 「ほんとうの事だろう。可愛い皮かぶりのお前だよ」 ツンツン♪ 「剥いてほしいかい？」 ツンツン♪ 「お返事が聞こえないね」 そんなの、言える訳ない。 他人に皮を剥いてくれ……なんて。 「他人じゃない。お兄様だよ」 「都合のいい時だけっ」 この偽お兄様が。 「気が変わったよ。お前の包皮は剥かない。自分で剥く事も許さない」 両手を頭上でひとくくりに吊るされる。 「ずっと包茎のままだ」 「そんなッ」 「皮を被ったまま、白いミルクを噴き出すのを見てあげよう！さぁ、いっぱい出すんだよ」 「やめっ」 「やめないよ」 俺の手首を持ち上げたまま、もう片方の手が竿を握ってクチュクチュ、ジュクジュクこすって、しごいて、擦り上げるぅ～ 「お前の先走りの音だよ」 聞こえるね？ チュクチュク、にゅぷにゅぷ…… 聞きたくない。 こんな淫猥な水音 けれど耳を塞ぐ事すら許されない。 「おっと、皮が剥けてしまったね。激しかったか。ちゃんと元に戻しておこう」 「かぶせないで～」 お願いを聞いてくれない。 意地悪な指が先端を被せて、ツンツンする。 「小さな膨らみも悪くない」