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第2話
「颯。行くよ」
「今行く」
「お前は相変わらず朝に弱いな。颯」
「まぁ。お前が起こしてくれるしいいでしょ?」
「はぁ…今はいいかもしれないけどさ…いつまでもこうして呼びにはこれないんだぜ。わかっているんだろ?」
「はいはぁい」
俺、満留 焔(みつどめ ほむら)はもう何年も片想いをしている。相手は今こうして小言を漏らしている三葉 颯(みつば はやて)だ。
颯は昔から独特の雰囲気を持っていた。
初めて会ったときはそれはそれは驚いたものだった。
少し色素の薄い髪はさらさらと揺れ1つに結われていた。正直女の子と思っていた。
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