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第19話
「こんにちは。貴方は…三葉くんのお母様ですか?」
「えぇ。初めまして。アメリアです」
「突然お声をかけてしまって申し訳ありません。あまりにも似ているから直ぐに気が付いたのでそのまま通り過ぎるのも憚られまして」
「颯は私にそっくりですものね。いつもお世話になっております」
「彼はとても優秀で皆に慕われています。」
「そう言って頂けるとありがたいです…そちらの女性は…恋人…ですか?」
「いえ。友人です」
「お似合いだから恋人かと」
「いえ。彼女とは幼馴染みで」
「初めまして。友人のえみりです」
「今度彼女結婚するんです。その打ち合わせに同行するんです。」
「そうなのですね。おめでとうございます」
「ありがとうございます。初めてお会いしたのに突然こんな…恥ずかしいです」
「お幸せになってね」
「彼はとても感じがよくてご友人もお綺麗な大和撫子そのままの方だったわ」
「…えみりさん…」
「…どうしたの?」
「…あいつの…婚約者…」
「…ねぇ。焔くん…きっと彼には何か事情があったのだと思うわ…二人はそんな関係には見えなかった…信頼しあった仲の良い友人にしか見えなかったわ」
「でもあいつは!!」
「彼は教師。生徒である颯に手を出したことは世間的には許されることではないわ…だからきっとお別れは来る運命だったの。焔くん。颯をよろしくね」
「…俺は…」
「颯に…あなたの真摯な想いがいつか届きますように…」
そう祈るように瞳を閉じ俺の手を包み込むように握ってアメリアさんは呟いた
「颯は…それは望んでいません…俺は友人として供にいることしか許されてない…だから…あまり…言わないで…辛い…」
「…ごめんなさい…でもね。私は…」
「大丈夫です。何かあれば俺はあいつを守りますから…それだけは信じて。あなたたちの愛する颯は俺が…」
「…焔くん…ありがとう…」
「颯の様子見てきますね。」
「えぇ」
逃げるようにしてリビングから立ち去る。知らない…事情なんて知らない…颯を泣かせたことは紛うことなき事実なのだから…
理由なんてどうでもいい。颯にあれだけ思われてたくせに簡単に捨てたあいつを俺は許さない
颯の部屋で颯の寝顔を見詰め息を吐いた
「颯…あいつのことなんて…早く忘れちゃえよ…」
眠る颯に口付けてベッドを背凭れにして座る。颯の寝息を聞きながら気付けば眠ってた
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