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第97話

「颯…はぁ…」 「んん…焔…」 「ねぇ…もっと触りたい…触って良い?…颯の中に入っても良い?」 「ん…入ってきて…触って…俺ももっと触りたい…焔と1つになりたい…」 そうして初めて繋がった俺たちは獣のように愛し合った。互いに涙を流しながら…この涙は何の涙なの?わからないけれど 何度も何度も颯を味わって…回を重ねる度に愛しさが募る…満たされていく… 「焔…」 「…颯…もっと…颯が欲しい…」 「俺も…焔が欲しい…」 結局行為は明け方まで続いた。 「颯…大丈夫?」 「はい…ありがとう…幸せでした…だから…もう…平気…凪くんの元へ戻って…」 「ごめんね…颯…」 颯の体を綺麗にして自分も身支度をする。もう戻らなければ… 「颯…」 最後に優しいキスをして抱き締めた 「また学校でね」 「はい…」 後ろ髪を引かれる想いで部屋を後にした。 明け方はとても冷え込んでいてさっきまであった温もりがないことで心まで冷え込んでいく… 俺は…どうすればいいのかな? 朝置きっぱなしになっていたスマホを見ると八重から通知が来てた。話があるみたいだ。気は重い…でも…話さないとならない… 学校では俺も颯も何事もなかったかのように過ごした。そしてその放課後 「焔くん!」 可愛い八重がニコニコと走りより抱きついてきた 颯と関係を持ったこと…胸がズキズキと痛むけれど気付かれてはならない… 「焔くん…いこ?」 八重についていった先は屋上だった 「八重。寒くない?寒がりだったでしょ?」 「…ふふ…誰のこといってるの?僕は寒がりじゃないよ。寒い方が得意」 「え…」 「あーあ…悔しいなぁ」 「…」 「焔くん。」 「ん?」 「別れよっか」 「え?」 「ふふ…チャンスだって思ったんだけどな…」 「…」 「結局…焔くんの本当の心は颯くんのものなんだって…気付いちゃった…」 「でも!俺…」 「ううん。それ以上は言わないで…その気持ちは本当は颯くんのものなんだ…」 「…俺…ごめん…」 「焔くん。あのね。今の焔くんは僕が好きだった焔くんじゃないんだ。僕が好きだったのは真っ直ぐに他には眼をくれず颯くんのことだけを見つめて颯くんだけを好きだった焔くんなんだ。今は違うから…だから…別れてくれる?」 「…わかった…」 「…うん。ありがとう…たった一日だったけど楽しかった。最後にキスして?」 「…」 「なんてね。嘘だよ。困らせてごめん。もう僕行くね。バイバイ」 気丈に笑顔を見せて八重は立ち去っていった…八重…八重…ごめんね。ありがとう

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