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36《お昼ご飯》

そうしてなんとか、午前中の仕事をこなし… 昼休みに入る。 いつもは東洞が残した仕事を片付けてから昼に行くのだが… 話もしたかったから…今日はそのままにして聞いてみる。 「東洞、昼はどこで食うんだ?」 「ここで食べます」 「そうか、もう少し静かなところで食べないか?昨日の話も気になるし…」 「…はい」 「まあ、話したくないなら無理には言わないからな」 「いえ、行きます!」 「じゃ、行こうか」 オフィスから少し歩いたところにある個室。 古株の俺だから知っている静かに飯が食える穴場の場所だ。 「面談室…」 冷暖房完備、机と椅子があり、食事するには充分なスペース。 「ここならプライバシー保てるだろ?なにか見えるか?」 「いえ、素敵な場所です」 東洞は部屋をぐるっと見渡して微笑む。 「じゃ食うか、それも昨日の奴が持たせた飯か?」 テーブルについて促す。 東洞はカバンに入れてある弁当箱を取り出した。 「……国近さん、昨日はせっかくおかず作ってくれたのに…本当にごめんなさい」 やはり申し訳なさそうに頭を下げる。 「もう謝るな、お前のせいじゃないだろ」 「…でも、本当に美味しかったんです、全部食べたかった…」 悲しそうにいう東洞へ… 温めたパックケースを出しながら… 「それだが、持って来てるけど食うか?」 「え?」 驚いた顔で見返す… 「昨日の今日だからまだ食えるぞ、流石に俺一人で食い切れないしな、お前の食材だし…」 「本当に!?」 「食べるか?」 優しく勧めると… 「はい!」 大きく頷いて、子どものように目を輝かせている。

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