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38《霊能者について》

「いや、霊媒師に…結界師…、特殊な能力を持たない人間…か、お前の一族以外、他にも特殊な力を操れる人間がいるのか?」 怒鳴られ追い返されたことに関しては、理由が解れば特に気にしない… それより東洞の話す内容の方に興味を惹かれた… 「はい…」 「有名な陰陽師なんかはお前らとは違うのか?」 よくTVや映画で扱われている霊能者は陰陽師が有名だ。 「陰陽師は、主に呪術、符術式神を駆使して祈祷や退魔を行う霊能力者です、だいたいはオールマイティになんでも出来ます、系統で言えば結界師が近いです」 「結界師…」 「結界師も符術を使って結界を張りますから、陰陽師の結界術特化なのが結界師ですね」 東洞は呟きを拾って説明を足す。 「じゃ、あいつも見えたり霊を追い払ったりできるのか?」 「いえ、結界師は悪いものを弾いたり、閉じ込めておくことは出来ますが…浄霊や滅することは出来ません」 「できないのか…」 霊能力者はみんなお祓いが出来るのかと思っていたが、いろいろあるんだな… 「霊や妖怪についても、優志さんは感じることは出来ますがはっきりと見ることは出来ないみたいです…やっぱり天河守家も、血が薄まってきて本来の能力が受け継がれにくくなっているのも確かですから…」 「そうなのか…本来?」 「本来、結界師は霊も見ることが出来て、手刀でも結界を張ることができるんですけど、優志さんは符で力を増強しないと高位結界を張るのは難しいみたいです」 「符…お前は使えないのか?」 「一通りは護身の為に習うので、使えないことはないですが系統が違うので正直苦手です、僕は霊媒専門ですから…」 「霊媒…霊を身体に憑依させるんだよな」 「はい、東洞家は…霊を憑依させて内部から浄化していくのが主ですけど、この間みたいに、手に負えないモノは、身体に封じて弱らせて違う器に封印することもあります。…あとはかなり消耗しますが神霊を降ろして神言を聞いたり力を借りたりも出来ます…それにも色々種類があって…あ、」 話している途中でハッとする東洞。 「ん?」 「…こんな話、引きますよね…僕の得意分野はこれくらいしかないから…つい話過ぎてしまうんです…」 やや罰の悪い表情をしていう。

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