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40《必要な結界》

「そのこと、優志さんは…なかなか信じてくれません」 「…うーん、そうだな、じゃ俺はやっぱり行かない方がいいのかもな、後から来たのは俺だし、そいつの食事を蔑ろにしたのも確かだから…それに、その優志って奴もお前の為に必死になっているみたいだし…」 総合的に考えて大人の意見を伝える。 「……」 それを聞いて悲しげな表情をする東洞。 「お前はどうしたいんだ?」 「…僕は、国近さんに来て欲しいし、また国近さんの料理…食べたい…です」 「……まあ、じゃ…天河守の許しがでたらいつでも行ってやるよ」 「…はい」 それを聞いてまた、微妙に視線を落とす東洞。 許してくれるわけないから… 「俺のせいで、アイツとお前が険悪になったら困るだろ、結界張ってもらわなかったらお前は取り憑かれ放題になるんだろうから…」 東洞の体質のことを思えば、俺が無理矢理入って行ってこじらせてしまう方がまずいから… 「そうですね…でも、」 霊媒師と結界師は離れることなんか出来ない。 ううん、違う… 結界師を求めているのは霊媒師の方… 僕は…結界を張って貰わなければ…普通に出歩くことも出来なくなるから… 優志さんには逆らえない。 「どうした?」 「いえ…」 緩く首を振り…言葉を飲み込む。 「よく分からんが無理はするなよ、お前にとって何が大切か良く考えるんだぞ」 ぽんっと頭を撫でて、言い聞かせる。 「はい…ありがとです、国近さん」 頷いて…微妙に微笑む東洞だった。 東洞の話を聞き、昼休みを終えて、仕事に戻る。

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