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第4話

「「行ってきまーす」」 「行ってらっしゃい」 父親は家族の誰よりも早く家を出る。 俺はまだ小学校の弟と一緒だ。 物騒で心配だからと弟を小学校に送ってから俺は高校に向かう。 かく言う俺も小学校の頃は母親と一緒に行っていた。 「兄ちゃんってお母さんと仲良いよね」 「何だ?急に。まあ、家族だし仲良いのはお前もだろ?」 「でも、最近兄ちゃん僕に構ってくれない!」 まだ可愛い弟は頬を膨らませて拗ねる。 「じゃあ、宿題終わったら今日遊ぶか」 「!!いいのっ!!」 嬉しそうに弟の目がキラキラと輝く。 可愛いったらありゃしない。 「ああ。帰るまでに決めとけよ?」 「うん!」 機嫌を良くしたのか満面の笑みを浮かべて頷く弟。 頭を撫でてやると上機嫌だ。 小学校の校門前で別れて俺は自分の学校に向かう。 家の近くに進学校があって良かったと俺は深く思った。

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