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第6話
「へぇ、野山君の家って優しいんだね」
「まあな。…全部母親のお陰だよ」
「…今度遊び行きたいな、野山君の家」
それは無理な話だ。
この間、母親に言われたばかり。
「それは無理な相談だな。俺の家ゴミ屋敷、とまではいかないけど汚いから」
嘘だ、母さんごめん。
家の中の掃除はいつも母親がやってる。
いつもピカピカで眩しく感じるほどに。
背景でよくあるキラキラが見えそうなくらいに綺麗なのは母親が綺麗好きだからだ。
「そっか、残念。いつか行きたいな」
「…いつかな」
そのいつかが来ることはないと思う。
俺にとって転校生はクラスメイトのそれ以上でもそれ以下でもない。
転校生は隣りの席で本を読み始めた。
俺は1つ欠伸をして机に伏して目を閉じた。
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