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隠したかった秘密

 夢の中でも聞こえていた窓を叩く雨と風の音が、少し穏やかになった。  ふと目覚めて隣の部屋を覗くと、ベッドが空になっていた。 「りおん…?」  少しだるいからと、自分より早く寝た筈の弟の姿が無い。  シーツに触れるとヒヤリと冷たく、ベッドからいなくなってから結構時間が経っているようだ。 「…?」  大抵、暇になると書斎にいる弟なので、多分調子も良くなって本でも選んでるんだろう…。  そう思い、瑠維は書斎に足を向けた。  案の定、屋敷の端にある書斎のドアの隙間から、うっすら明かりが漏れている。  夜中の1時を過ぎているが、何か飲むかと声をかけようか…、そう思った所で手と足が止まる。  クチュリ、と、妙な水音が聞こえたからだ。  そして、切なげな甘い吐息も…。  書斎にいたのは弟一人だけじゃない。  二人の義父の龍嗣が一緒で、かろうじてワイシャツを羽織っただけの璃音を仰向けにして組み敷いていた。  龍嗣は上半身が裸でチノパンを穿いているが、フロント部分が緩められて、璃音の開かれた足の間に密着し、体を動かす度にクチュリと水音が響く。  龍嗣が腰を引き、ググッと穿つ様に腰を進める。 「あ…っ、りょ…う…じ………」  吐息とも嬌声ともつかない甘い声が漏れ、二度三度と打ち付けられる龍嗣の腰に璃音の両足も揺れた。  身の内を駆け上がるものに堪えかね、璃音が腰を捩り、打ち付けられていたモノがほんの少し見える。  それは、瑠維や璃音にもあるモノ…。  それが、璃音の後孔に穿たれていたのだった。 『嘘…だろ…ッ?』  どう見ても、それは義父が璃音と躯を繋いでいる現場だ。  しかも、璃音は嫌がる事もなく、龍嗣との行為に没頭し、重ねられた唇も素直に受け入れている。  何度も啄まれている内に、自分から舌を差し出し、積極的に受け入れている姿は、瑠維にとって衝撃だった。  甘やかなキスと、胸元を這う龍嗣の指と、後孔を穿つ欲望が、どんどん華奢な躯を追い上げる。 「ん…っ、龍…嗣……、僕、もう……っ」  潤んだ瞳が見開かれ、組み敷かれた体が痙攣した。 「あ…、あっ、ああ………っ」  甘い喘ぎの後、二人の間に白濁したものが飛んだ。  それは、紛れもなく璃音が放ったものだった。

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