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腕の中に収まる華奢な躯が、ピクンと跳ねた。
「う……くっ」
龍嗣の膝に乗り後ろから貫かれるのは、璃音にとってある意味怖いものだった。
何より、今まで向かい合わせばかりで龍嗣と繋がっていたから、赤ん坊が小用を足すような恰好は恥ずかしかったし、掴まり所もない。
向かい合わせなら、龍嗣の背中や首の後ろに手を回せば、逞しい腕に抱えて貰えて、絶大な安心感を得られるのに、今は力が入らない腕をダラリと下げているしかない。
恐さと不安を持ったまま顔の向きを変えると、龍嗣が額や耳朶、首筋などに口づけを落として来た。
「どうした…?」
「…なんでも…ない…」
怖ず怖ずと応える璃音を、龍嗣は後ろから抱きしめる。
右肩に触れていた手を掴むと、嵌めていた婚約指輪が目に入り、璃音は改めて照れてしまった。
DEAREST…最愛の人という意味を篭められた指輪は、龍嗣から贈られたもの…。
「指輪の…裏側の石…」
「ん?」
「僕ばっかりじゃ…やだな…。
龍嗣の、ん…っ、僕も…石を選んで…、やっ、ちょっと、噛まないでよ…。
ぁあ…………っ!!」
耳朶を龍嗣にハミハミされて、璃音はジタバタする。
後ろから穿たれたままなので、中もグリグリと突かれているせいか、息が上がりっぱなしだ。
「璃音は、弱いところばっかりで可愛いな…」
「龍嗣が…、龍嗣が僕のこと、そう変えたんでしょ…?」
「そうか?」
耳殻を軽く噛んだり、舐めたりして、龍嗣は璃音をはぐらかす。
はぐはぐと喘ぎながら璃音は一生懸命喋ろうとするのだが、舌すらも縺れて言葉にならない。
「そうだなぁ…。
最初は擽ったがってた耳も、肩も、腕や脚の付け根も…。
ああ………、膝も、足の甲も……足の指も、擽ったがってたのが感じるようになったものな…」
胸に密着する璃音の背中から伝わる拍動が、どんどん激しくなっていく。
自分の手や指、唇が与える官能に震える璃音は、本当に愛おしいと龍嗣は思う。
「前にも言っただろ…?
ここまで夢中にさせたんだから、責任取れって。
今日の璃音は特別にエロ可愛いから、歯止めが利きそうにない。
朝が来ても繋がっていたいくらいだぞ…」
ドクドクと逸る鼓動が嬉しくて、龍嗣は殊更弱い部分ばかりに指を這わせて、璃音を追い上げた。
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