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第3話ー7

身をかがめた遊矢は至近距離で俺を見つめた後視線を下げていく。 唐突すぎて俺は、フリーズ。 大量の情報を脳みそで必死に処理して現状理解を試みた。 (だっからっ!!なんでここにいるんだよ?! いや会える分には全然いいんだ、むしろ嬉しいくらいで。でも多分ただ会いに来たって訳じゃねんだろ?!) 何か用があるんだろう。 んできっと、それは事務的なことじゃなくてコイツの好奇心を刺激する、何か。 我が道をゆくゴーイングマイウェイ星人こと遊矢の行動力は基本的に『やったら面白いことをやりたい』だから、俺の教室に来たら面白い何かがある。 ────って、所までは推測出来た。 でもその先はさっぱりだ。 俺が落ち着いてて猛勉強してる時の精神状態ならもっと具体的な案を出せたかもしれないけど、何せ遊矢がソコにいる。 遊矢の存在にばかり気が散ってまともに考えようにも雑念が乱入してきてしまう。 (クソなんだよコイツかっこいいしめっちゃいい匂いするしかっこいいし) なんて考えていたほんの数秒。首元まで下りた視線が戻って来た。 「ん、ちゃんと付いてんな」 満足気に上目遣いで微笑んできた。 近い。近すぎる。 距離が近いと、俺の鼓動は早くなっちまう。 顔も多分、火照ってる。 (うっ……かっこいいし可愛いしなんなんだよ、好きだコノヤロウ。上目遣いが男でこんなに似合う奴とかこの世界にいや宇宙にコイツ位だろーし皆と同じ制服のはずなのにコイツだけモデルみたいに着こなしてて佇まいだけで後光差してて直視したら失明しそうだけどその場合保険は下りるのか?コノヤロー) 心の中で杞憂にも杞憂な心配をしながらそれでも頑張って平静を装った。 「っ、…付いてるって、何が?」 上体を戻した遊矢はさっきまで見ていた俺の首元を今度は指先でちょんちょんと触ってくる。 突然の刺激で無意識に肩が跳ねた。 んでもって、次のセリフを聞いて俺の思考は完全、停止する。 「キスマだよ。俺のってしるしのな」

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