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甘々なんです
優しくベッドに降ろしたけんいぬは着衣のまま、左の乳首に噛み付く。
「んっ、あっ……あぁ」
服の上からのもどかしさはあるけど、チクリと感じる痛みとコリコリの感触がいつも以上にわかるから喘ぎ声が止まらない。
「きいち……たまんないよ」
上目遣いでボクを見ながら右手は上下左右につまみ、左はチュッと音を立てて吸うけんいぬの姿にますます息が上がる。
「香水なしなのに、かわいい声上がってるよ」
「んっ、ん……わかっ、てるンッ」
「我慢汁すごいよ、トロトロしてる」
スカートの下はフルチンだから直に触られて、ビクンと大きく身体が跳ねる。
「ああ……あっ、もう、だあ、け……ンじぃ」
強く握られて上下に擦られる感覚と精液が立てる水音に頭が痺れてくる。
「気持ちいい?」
「きも、ち……い、あっ、イイからぁ」
快楽を覚え、身体を震わせてカチューシャの耳を揺らすボク。
「愛してるよ……きいち」
感じ過ぎて愛液が溢れたのか、人差し指がすぐに奥まで突き抜けた。
次々と増える指に声が高くなっていくボク。
「挿れるよ」
「はや、く……い、れて」
待ちきれなくて熱い吐息を漏らしながら言うと、ふふふと笑うけんいぬ。
「仰せのままに」
大きいモノでぐんと押し広げられて奥を突かれたから、目の前が真っ白になった。
気持ちいいってこんな感じなんだ
素直に感じたら、あとは本能のままに声を出した。
「ケンジ、ボク……自力で発情するようになったんだ」
2回イッた後、勇気を出して言ってみた。
「だから、もう……しなくていいから」
ボクは力なく言って、強く目を閉じた。
それなのにけんいぬはふっと鼻で笑っただけ。
ボクは呆気なくて背を向ける。
「それでも君は……俺のもんには変わりないよ」
布が擦れた音の後、首筋に痛みが走った。
「これからも俺は君に愛を施していくからね」
両腕で包んでふふっと笑うけんいぬから、やっとわかったんだ。
ボクらは番なんだと。
けんいぬとボク……犬猿なのに、甘々なんです。
<完>
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