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第1話

「もうすぐ大晦日かぁ…今年こそ大掃除しなきゃだなあ…」 事故から3年、いや、4年かな 俺は生死をさまよう大事故にあった なんとか生きてたもの脳の損傷はヤバかった 一番大事なとこはまだ無事だったらしい あの事故でこの重傷で生きてるのは奇跡だ、って医者に言われた 「…ほーんと奇跡だよな…あん時は死んだと思ったのに…なんでだろ…」 そんなことを呟き、部屋を片付けようと棚に手を伸ばす 「…?これ、誰だ…?」 棚の上に置いてあった写真が目に入った 写っていたのは、笑顔で笑う俺と見知らぬ人物だ 今まで違和感なく置いてあった写真に初めて違和感を感じた 「…スマホ…スマホのアルバムにも写ってるかも…」 単純なスマホのパスワードをときアプリ事態にかかった厳重なパスワードをとく 「…なんでアルバムだけこんな厳重なんだ?」 アルバムのたくさんの写真に写っていたのは俺と見知らぬ人物ばかりだ 家族や友達なんかの写真も混じっている たくさんの写真に写っている俺はどれも笑顔だった でも、見知らぬ人物と写った写真はどれも、なによりも幸せそうだった クリスマスの写真だろうか 俺と見知らぬ人物が恋人繋ぎで手を繋いでいる写真があった 写真を撮った年は20XX年と書いてある 「20XX…事故にあった年とおんなじだ…このあとすぐ事故にあったってことか…?」 次々に疑問と違和感が浮かび上がってくる 「ほんとに誰だ?…そうだ、電話帳も見てみよう、写真のやつの番号あるかも」 電話帳をひたすら下にスクロールする 「ねぇちゃん、父さん…これか?」 電話をかけた最後の日がクリスマスになっている 多分これだ 「……かけるべきか?…いや、でもなんて言ったらいいんだ?…考えてたって仕方ねぇしな、本人に聞けばなにがなんだかわかるだろ」 …… 『おかけになった番号は、現在電源を切っているか、電波の届かない…』 「繋がんない…あ、LINEかも見てみるか」 厳重なパスワードをときアプリをひらく 「…これか…?なんかきてる…」 『バイバイ。』 画面に表示されたのは別れの言葉だった 送られてきたのは3年ほど前だ トーク履歴を見てみるとクリスマスの予定や色々な事を話していた 会話の内容から俺と写真のやつは恋人だと言うことを確信した 「八城…要って言うのか……やっぱ思い出せねぇ…」 事故にあっても誰一人として忘れることはなかった 写真のやつ以外は

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