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第15話 LIME

映画が始まるまで30分以上あって暇だったから僕達3人はフードコートで時間を潰すことにした。 僕が蓮斗の隣に座ろうとすると旭くんがこっちに座れと腕を掴んできた。 「おいっ、晴太」 「陸くん、連絡先交換しよう? 」 蓮斗の声を無視して旭くんが話を続ける。 「あっ、うん...」 旭くんの整った顔が近くにある.......どきどきする.......。 QRコードを読み込み、LIMEの数少ない友達リストに『旭晴太』という名前が追加された。昨日まで喋ったこともなかったのに....... 1人で静かに舞い上がっていると 旭くんのLIMEのトプ画が女の人とのツーショットでドキッとした。なんだ付き合ってる人いるんだ.......少しでも期待した僕が馬鹿みたいだ....... 「旭くんってさ、付き合ってる人いるんだね.....」 「え?いないよ?」 え?じゃあこの女の人は?と僕が不思議そうな顔をしていると、旭くんが 「あ、これは妹だよ!恋人欲しいなぁ」 と言ってきた。1人で勝手に落ち込んで勝手に安心してしまった。 「そ、そうなんだぁ。でも旭くんならすぐに出来るよ。かっこいいし.......」 「..............」 僕がそう言うと旭くんは返事をしなかった。 「Aクラスの人気の男の子がお前のことタイプって言ってたらしいぞ。チャンスなんじゃねぇ?」 「あの子すごい、男をひっかえ取っかえしてるんだよ。そういう子はやだな。もっと一途そうな子がいい。」 旭くんにいらないこと吹き込まないでよ。 旭くん一途な子がいいんだ.......旭くんなら誰だって一途にもなりそうだけどな....... ----------------------------------

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