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第16話 座り順

「そろそろいくかあと10分で始まる。」 蓮斗がいつも以上に低い声で僕と旭くんに声をかける。 「そうだね、座る順番どうする?」 「おれが真ん中がいい」 3人で歩きながら僕が聞くと蓮斗がそう答える。いつも僕と2人で行く時はどっちでもいいって言うのに....... 「それじゃあ不公平だからジャンケンにしない?」 「そ、そうだね!ジャンケンにしよ!」 旭くんがそう提案してきたから僕と蓮斗も賛同して(蓮斗はしぶしぶだけど)、ジャンケンで決めることになった。 「「「最初はグー!じゃんけーん..............ぽい!」」」 ---------------------------------------------------- 「もうすぐ始まるね」 「う、うん.......」 旭くんとの距離がすごく近いし話しかけてくる度に吐息が耳にあたってくすぐったい....。 「..............」 真ん中に座りたかったのにじゃんけんで負けて、僕を挟んで蓮斗と旭くんが座っている状態。蓮斗は機嫌が悪そう....... 「蓮斗、席なんてどこだっていいじゃん!ちゃんと映画たのしもう?」 と言って下から顔を覗きこむと心なしか蓮斗の顔が赤くなった気がした。

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