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第36話 ゲイって?!
「俺、生まれてからずっとミクって呼ばれてたんだ。母さんは俺を産んだその時から、いや、お腹にいるときからミクって呼んでたらしい。だから、ヨシヒサって呼ばれると変な感じがして・・・・」
「ああ、そうなんだ?!なら、藤谷クンって呼ぶ。」
オレが言うと、隣でふっと笑う気配がした。
いつの間にか、オレたちにはこの間のわだかまりが消えていたようで、自然と話も出来た。
「でも、腕だけで済んでよかったな。身体は大丈夫だった?」
見えない部分も傷とか痛めているのなら、介助の時に気を付けようと思って聞いた。
「まあ、ほとんど右の肘に体重がかかって、腰のあたりと足に擦り傷が出来てるけど・・・大丈夫。」彼は固定された右腕をさすると言った。
「それにしても、モテるのも命懸けだな。女は怖いね・・・」
「まあ、確かに怖いよ。・・・けど、俺が悪かったんだ、その子の彼氏を取っちゃったから。」
「へえ、、、、ン・・・・??」
相槌を打ったけど、なんか聞きなれない言葉が。
「・・・カレシ?」今さっき聞いた言葉をリピートしてみる。確かに(カレシ)と言った。
「俺、ゲイみたい。女の子は無理だった。」
「・・・・・・・・」
彼の言葉に、何の返答も出来ないオレ。
おネエとかニューハーフとか、テレビの中だけの話だと思っていたオレは、隣に座るこの子が、ソレだとは思えなかった。
- ゲイってどういうのだっけ?
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