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第8話 俺という『男』。

俺は杉原 俊……一応有名名門ガッコの三年生でーす。 一応が付いているのは、もう一年三年生をするから。 これには色々ワケがある……卒業試験をすっぽかしたからなんだけど、そのワケを話したらナイーブな叶がキズ付いちゃうから……あんまし話したくない。 でもまぁ俺はそれについては後悔してないし、叶と一年過ごせるからある意味嬉しいワケです!! まぁ……それは置いといて、こんな俺がこんなにお堅いガッコに通うにはワケがある。 俺は……ぶちゃけると愛人のガキ。 俺はガキの頃までは『清水 俊』だった……小雪さんと親父が再会するまで。 俺は親父がちょーキライ。 『好き』で『愛してる』くせに俺の母親、小雪さんを捨てたサイテーな『男』。 でも、俺は親父がキライでも……小雪さんの『想い』は消えないでいる。 それは……しょうがない、諦めてる……小雪さんの『想い』が今なら分かっちゃうから。 その『重い』『想い』は……俺にも遺伝しちゃってた。 その俺の『重い』『想い』を可哀想に一心に背負っちゃってるのが、俺の小さな愛しの叶……笹倉 叶。 叶を知る前の俺はちょーサイテーな『男』だった。 『女』が俺に『イケメン』とか『男前』とか言って群がってきて……キモチイイコト覚えちゃって……俺はハッキリいうと女タラシだったワケです!! (……サイテーな俺だけど、諦めらんなかった) 今は俺は叶一筋なワケです!! 多分……これが一途ってヤツなんだろーね。 だがしかし……俺はそれだけじゃない。 叶はどんなに可愛くても『男』だ。 でも初めて叶を見てから、俺は他は見えなくなってた……あのビー玉みたいなデカいキラキラした目に俺を写してみたくて仕方がなかった。 でも……俺には出来ないワケがあって…『一生片想い』貫こうとしたら……叶から接触してきてちょービックリ!! ……1回でも叶のあのデカいキラキラした目に写った俺を見たら……もう我慢できなくて、口説いちゃたら叶が俺に落ちて……晴れて『恋人』。 俺はもう叶しか『愛せない重い想いの男』になり果ててしまってていた。

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