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第9話 『禁断』の恋愛の味は不味いのか。

叶にプレゼントはもうすぐに決まってた。 自分でもちょー『重い』と思うし、こんな『重い』もん貰えないって言われそうで本気で悩んだけど……俺からのプレゼント、他に見付かんなかった。 しかし……これを渡すには勇気がいる。 最近じゃ『同性』でくっつくカップルなんて珍しくないけど。 (…その昔『同性』同士でくっついたヤツが………今ちょー目の前にいるし!!) 「ねー俊、そのケーキ味見さして」 …………。 あんた何でまた台所にいんの? 「五月蝿いよ、光さん。おっさんは甘いもん食ったら太るんじゃない?」 「んだよガキ。イッチョマエにX'masを恋人と一緒に過ごすとか、10年早いんだよ」 「そーだね、10年以上待っちゃった光さんはいつの間にかおっさんだし?だから俺と叶は早めにやるのー」 この見た目だけ綺麗であとは汚いおっさんは光さん……俺の叔父の紅葉さんの『愛人』。 この人はどう見ても俺はちょっとばかり見た目だけ綺麗なおっさんにしか見えない。 性格も根性も悪いし意地汚いし、なにより叶に『クスリ』を盛ったクソ野郎だ。 「叶クンもカワイソー。まさか『X'masケーキ』がカレシの手作りなんて知ったら……」 「叶は光さんじゃないから大丈夫なんですー」 ってかこの人今までこのケーキ狙ってたじゃん……。 俺が生まれたときからいたかは知んないけど、俺が気がついたらこの人はすでにこの家に入り浸っていた。 この人の時代の『同性』同志のカップルは偏見はもっとあったはずだよね。 「光さん……あんたなんでこの家に入り浸っちゃっちゃったワケ?」 俺がいきなし真面目な話なんかしたからか……間が出来た。 「等価交換じゃないのー?そういうのは」 そりゃそうだね……さっき作った星形の飴細工を、俺は一つだけ渡した。 「……お前らと一緒だよ。紅葉に口説かれた。『好き』になっちゃったらしょうがないじゃん」 ようするに『禁断』に足を踏み入れたワケだ。 「……やっぱししょーがないか…」 俺も叶との『禁断』の味がどんなもんか……気になる。 今のところ……『叶の味』はサイコーに甘くて美味い。 甘いものがキライな俺でも『叶の味』は美味しくいただいてる。 (叶は……どうなんだろね) 「隙アリっ!!」 俺が気を抜いた瞬間、デコッてる最中のケーキの生クリームを指で掬って舐められた!! 「あっ!!てめぇ……」 光さんは盗み食いしたくせに……、 「ナニコレ……!!甘味が少ない……不味い」 俺はやっぱこの人がちょーキライだ……!!

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