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第13話

「ミスN高のナースの相手役として、俺も白衣姿でおまえの隣りに一日中いることにする」  生まれて初めて知った濃密な官能の世界にとっぷりと身を任せていた俺に向かって、蓮はそう宣言した。 「え……?」  いまだ乱れたままのナース姿の俺は、これまた乱れて色っぽさが増した白衣姿の蓮を呆然と見つめる。 「綾人が誰のものなのか、この際だからはっきり見せつけてやる」 「……蓮、いったい誰相手に、はり合ってるのさ?」  俺が問うと、蓮はサラツヤの髪をかき上げて呆れた。 「そんなの、おまえのことを好きなやつらに決まってるだろ」 「そんな。蓮と違って俺は全くモテないし」  笑い飛ばすと、蓮はますます呆れた。 「自覚がないのって一番怖い。サイズを直させたとしても、おまえのナース姿はエロいに決まってる。そんなもの見せたら、襲い掛かりたくなるに決まってるだろ」 「…………」  蓮はいったい何を言ってるのだろうか。  それは蓮の方だろう。白衣姿の彼は色気があり過ぎて、俺の方こそ誰にも見せたくない。  唇をとがらせ、そう思っていると、蓮の腕の中に包み込まれ、耳元で囁かれる。 「今夜は俺だけのナースでいてくれよ、綾人」  綺麗に笑ってみせる蓮は、すっかり回復したようで、もうナースの看護は要らなさそうだったが、俺は彼のお願いを甘受した。

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