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危険な再会④
足音がする方とは反対方向へとしばらく走り続けた僕たちは、倉庫の奥まできて立ち止まった。
「なんなんだよ。お前」
僕の手を振り払ったルーが、困惑した表情でこちらを見てくる。
「だってあのまま見つかったら君が捕まるだろう!」
「だからってなんでお前も逃げるんだよ」
「はっ! そういえばそうだった!」
彼が捕まってしまうと考えたら、つい反射的に逃げてしまった。
「全く、盗みは悪いと言ったくせに、俺を連れて逃げるなんて矛盾したやつだな」
「うっ…。そ、そうだ、あの羽はちゃんと返しただろうね?」
慌てて話題を変えると、ルーはにこりと笑っただけで答えなかった。
あ、これはやらかしてるんじゃ…。
「今日はお前に邪魔されてばっかりだな。仕方ないからもう帰るとするか。これ以上引きずり回されるのはこりごりだ」
「ちょっと、質問に答えなよ…というか、何さ、これは」
なぜか突然、ルーが襟首をつかんできた。
母猫が子猫を運ぶ時のような状態で引っぱられ、地味に首がしまる。
「お前も帰れ。ここにいるとろくなことにならねぇぞ」
「待ってよ、まだケムケム草が…」
「ばか、いいから来い」
襟首をぐいぐい引っぱってくるルーの力にかなわず、引きずられていく。
「うぇ…苦しいよ」
「ったく、広い倉庫だな。出口はこっちか?」
「もう、引っ張らないでよ。このあたりに裏口とかあるんじゃないの?」
これ以上引っぱられて服が伸びたらたまらない。
素直に従うことにした僕に気づいたのか、ルーの手が離れた。
「あ、ほら、あそこに扉が」
木箱に隠れていた鉄の扉を見つけたので、さっそくノブに手をかけた。
「おい待て、誰かいるかも…」
ルーが制止する前に僕は扉を開いてしまった。
想像していた外の光景はそこにはなく、代わりに”あるもの”が目に飛び込んできた。
これは、一体なんなんだ?
この状況は、一体…。
目の前の光景が理解できずに呆然と立ち尽くす。
僕たちの、目の前に広がっていた光景。
それは…。
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