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6 万事休す⑨
容赦なく。
縮れた黒い毛が落ちる。
カミソリの滑った場所……
更に股を広げて、俺に見せつけてくるヌルヌルのモノはいきり立ち、血管が浮き出ている。
「触るかい?」
「いいっ」
「そうか、触りたいか」
「あっ」
言ってない。なのに。
俺の気持ちは無視して……
「お前の本心が分かるんだよ。お兄様だからね」
握らされたあなたの熱が、ビュクビュクする。
「嬉しいよ」
ビュクンッ
卑猥な汁が先端から垂れている。
「放置プレイかい?」
「えっ」
「手がお留守になっている」
「ひゃんっ」
フサフサの黒い毛が惜しみなくシートに落ちた。
「私の可愛いムスコがお汁を垂らしているよ。拭いてくれないのか」
どこがだ。全然可愛くない。
たぎるソコ
ビュクビュク、ビクンッ
ティッシュを探そうとした手を止められた。
「それは最後に使うものだ」
つんつん♪
俺の手の甲を叩いているのは、硬い熱のみなぎる藤弥さんの~~
「ち……」
「……んこ」
続けなくていいっ!
「ちんこ、だろう」
「二回言うなーッ!」
エロい口め。
ブルルンルン!
「振るなァーッ」
つんつん♪
ぺちん。
つんつん♪
ぺちん。
雄の肉棒で手の甲つんつん♪しない!
あなたはソレの使い方を間違えている。
「すまないね、お前の手が恋しいんだよ」
口角に弧を描いたあなたはズルい。
ドキンッ
心臓の音うるさく鳴った。
「お前に握られて、扱かれて、カウパーでトロトロに濡れたお前の手がそれでも、私を離さない。
クチュクチュ、ジュクジュクやらしい音を立てて奉仕するんだよ。
自分自身しか知らないお前の手が、初めて知る自分以外の雄だ。想像するだけで興奮するよ」
「ひんっ」
「先にご褒美をあげよう」
唇が指を咥えた。
「次は中指」
一本、また一本、艶かしく。
「扱きやすいように濡らしてやろう」
指の股まで舌が囀ずる。
「慣れない左手で一生懸命扱かれるのも嬉しいね」
薬指……
「念入りに濡らそう。指輪をはめる大切な指だ」
………なんて言ったの。
意識がふわふわする。
指、ねぶられているだけなのに……
「真っ赤じゃないか。可愛い顔して……私をしゃぶるのが待ちきれないかい?」
俺が?
あなたの、いんぼうを?
「そう、淫棒をだ」
生々しい雄の欲望を。
血管の浮き出た熱の塊を。
「股間に顔をうずめて、鈴口から溢れるカウパーを拭いてくれる約束、したよね?」
俺、そんなこと……
「したよ」
あなたが優しく口角を上げた。
「約束は守らないといけないよ」
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