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【15】ヘタレですが狼に大変身

「んっ…んん…ぷはっ」 固く閉ざした歯列に舌を這わせながら、胸をきつく捩じると痛いと声を出す。 開かれた口に舌をねじ込ませ上顎を舌先でつつくと春日の足から力が抜けた。 弱い場所は知り尽くしている。 唇内側、上顎の歯列根元から舌が届く範囲で奥までなぞられるのが好きなのだ。 完全に力が抜け、舌と舌を絡ませれば無意識なのか両腕が兄崎の背をさすってくる。 可愛すぎる。 性急な手つきで春日のスラックスからベルトを外し、ファスナーを下し前を寛げる。 その瞬間、春日のスラックスのポケットにねじ込まれた携帯電話が鳴り響いた。 「…って待て!!」 はっと我に返った春日が思いきり兄崎を突き飛ばし、這うようにして逃げようとする。 鳴り響いた携帯電話の呼び出し音が止まり、また鳴り出す。 「足腰立たないのにどこ行くの、春日クン」 玄関先へ向かう春日を後ろから捕まえ、無理やり立たせて抱き込むと兄崎の足を踏みつけてきた。 尻ポケットから鳴りやまない携帯電話取り上げて兄崎はにっこりと笑顔を浮かべる。

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