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第18話 ぐみ

「和真さん!」 いつもより少し遅いぐらいに俊がやってきた。淡いピンクのパーカーに下は黒スキニーですごくシンプルな服装、なのに俊が着てるとすごく可愛く見える。 「おー俊。待ってたぞ〜」 「和真さんに早く会いたくてさ〜。あ、今日はこのグミ買ってみよ〜。」 「うん。150円な」 「はいぴったし!」 俊はポケットサイズの小さい財布をウエストポーチから取り出して150円ぴったし出してくれた。 「ありがとう和真さん。あ、渡したいものがあるんだ!」 「ん?」 俊は可愛らしい少し丸みを帯びた数列の並ぶ紙を渡してきた。電話番号か....... あ、おれもメールアドレス渡そうとしてたんだった....... お互い似たような事を考えていたのが面白くて思わずクスッと笑ってしまった。 「和真さん、なんでわらってるの??」 「おれもこれ、おまえに。」 ポケットからLimeのidの書かれた紙を取り出して俊に渡した。 俊はしばらくその紙を見て固まっていた。 「同じこと考えてたんだね、嬉しいな.......すぐにLimeするね!じゃあ、またね。ありがとう.......」 「あぁ。俺も電話する。またな」 俊は今にもスキップしだしそうなくらいルンルンででコンビニを出ていった。可愛い弟が出来たようで嬉しい気持ちなのに、なぜかあいつの笑った顔を思い出すと胸がドキドキする。 俺はまだこのときこの感情の名前を分かっていなかった。

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