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【変態兄貴×高校生弟・フェチ】変態兄貴の実証実験(1)
「祐介……はぁ……」
「………………」
俺は今、人生一番の衝撃映像を見ている。
大学生の自慢の兄貴が、俺の一日着ていた弓道着(使用済み&未洗濯)に顔を埋めながらオナっている。
俺は単に宿題をするために辞書を借りにきただけだ。部屋の前にきたら微妙に声がして、好奇心からほんの少し黙ってドアを開けてしまっただけだ。
ってか頭脳明晰でかっこいい自慢の兄貴が俺の使用済みを嗅ぎながら名前呼んでオナってるなんて、誰が想像するよ! すぐ隣の部屋に非日常ありすぎだよ!
「んぅ……はぁ……祐介……」
「…………」
ギンギンですね、兄貴。
思いながら、少し……かなり引きながら、それでもそんな兄貴から目が離せない俺もどうかと思う。もう完全にヤリ倒す勢いで握りこんで扱き上げている兄貴の妙に色っぽい声とか、聞いたことがない。
俺の知っている兄貴は本当に完璧な人だ。顔が良くて、背が高くて、勉強が出来て。小学校でも生徒会長、中学でも長と名のつく役職を経て生徒会長に。それは高校生でも同じで、「平野祐一の弟」と言うと未だに先生から声を掛けられるくらいだ。
そんな兄貴が、今目の前で俺の名前を呼びながらイキそうになっている。衝撃過ぎて目が離せなくて…………だから、逃げ遅れた。
「んっ!」
低く色っぽい声と共に射精した。しかも何故か最後の瞬間、兄貴はドアに体を向けて、まるで俺が見ているのを知って見せつけているように達した。
気のせいだ。逃げないと。見ないことにしよう。俺の大人の判断は、室内からした兄貴の声で全部無駄になった。
「祐介、入れよ」
「!」
明らかにココに俺がいると分かっていての声に、俺が逆らえるはずがない。
できるだけこっそりと部屋に入ると、兄貴は淡々と処理をして、ティッシュを丸めてくずかごに入れた。
「あの……」
「随分しっかり見てたな」
「知ってたのかよ!」
「あれだけ見られていたら気づくだろ」
気づいててやってたのかよ、兄貴ぃ。
メガネの奥の、妙に冷静な目が怖い。兄貴が何を考えているのかさっぱり分からない。俺はできるだけドアの側にいた。なのに、兄貴が「来い」というから、ちょっとずつ距離が縮まってしまった。
ベッドに腰掛け、当然下半身もろ出しな兄貴の前に座る。俺は床に座るから、目の前に兄貴の兄貴が無防備にぽろんだ。正直、目のやり場に困る。
「あの……さぁ。とりあえずパンツくらい履かない?」
「必要ないだろ?」
「え! いや……」
必要だよ! 人間として最低限のモラルだよ! どこに忘れてきたの!
あわあわしているのは俺ばかりで、何故か兄貴は腕組みをして堂々としている。おかしいな、俺被害者なはずなんだけど。
「あのさ、兄貴……それ、俺が今日部活で着てた道着……だよな?」
「そうだな」
「洗濯……」
「明日までにしておいてやるから心配するな」
「いや、そういうことじゃなくて!」
どうしてそれを兄貴が持っていて、しかも臭いを嗅ぎながら致していたのかというのが問題なんだけれど!
俺の無言の訴えは通じたようで、兄貴は俺の道着をチラッと見て……あろうことか手に取って再び顔を埋めた。
途端に俺の目の前にある兄貴の兄貴が僅かに反応を示す。この状況に、俺は再びあわあわした。
「うん、臭う。だが、これがなんとも」
「止めてくれよ! ってか、どうしてちょっと反応するのさ!」
奪い返そうとした俺の手を道着がすり抜ける。兄貴はもの凄く手慣れた感じで、俺の道着の特に臭いのきつそうな襟首や脇の下に顔を近づけた。
「汗にはフェロモンも含まれる。特に脇の下や首回りは含まれるフェロモンも多いという研究結果が出ている。興奮するのは当然だろ」
「俺は男だよ!」
そもそもの問題を突きつけてみた。だが兄貴はまったく分からないという顔で首を傾げている。
「それがどうした。好ましい相手のフェロモンを嗅いで興奮するのは当たり前だろ」
「性別的に当たり前じゃないんだって言いたいんだよぉぉ」
そして「好ましい相手」という部分だけピックアップして、ちょっと嬉しかった俺も死んでくれ。
どうしよう、まるで宇宙人を相手にしているみたいだ。どうして言葉が通じるのに意思疎通ができないのだろう。兄貴ってこんなに面倒くさい人だったっけ?
「ところで祐介」
「なに?」
「俺の研究に、少し付き合ってくれないか?」
「はぁ? 研究?」
俺は今度こそ首を傾げる。兄貴は理系の大学に入って、一年生で研究室に所属して研究をしている。将来は研究者になりたいらしいのだが……正直話しが難しくて俺には理解ができなかった。
「研究って、何?」
「それを教える前に返答を要求する」
「……俺じゃなきゃ、ダメ?」
「お前で無ければ意味がないし、満足な研究結果が得られない」
「うっ……」
そうまで言われると、なんだか断りづらい。嫌な気配しかしないが、なんとなく兄貴に高圧的に出られると逆らえない俺がいる。
「わ……かった」
「よし。ところでお前、家に帰って風呂に入ったか?」
「はぁ? いや、まぁ、シャワーは浴びたけど。風呂はまだ」
だって、少し前に夕飯食ったばかりだし。
「夕方か? ボディーソープで洗ったか?」
「いや、汗流しただけだけど」
「若干惜しいが、石鹸を使っていないならまだいいか」
顎に手をやってキリッとした顔で考えているけれど、兄貴は下半身ぷらんぷらん……でもなかった。ちょっと勃ってた。
「仕方が無い、ここは妥協しよう」
「何の妥協!」
思わずツッコむ俺をよそに、兄貴は上の服も脱いでしまう。その腹筋が無駄に割れている。大学生になって運動不足で弛むのは嫌だと、何気に鍛えているのでいい体だ。
「というか、なんで脱ぐの!」
「ヤルぞ」
「……なに、を?」
「お前の臭いを直接確かめる。平常時と興奮時で変わるかもしれないし、快楽でも」
「いやいやいや! 何血迷ったの!」
「実験を手伝ってくれるんだろ?」
「ヤルって、ヤルんだよね! それのどこが実験なわけ!」
俺は今度こそパニックで、逃げようとした。けれどその前に兄貴に捕まって、思い切りベッドに引き込まれた。
兄貴に組み敷かれた俺は、心臓バクバク状態で見上げている。飢えた獣みたいな顔をするこの人を、俺は知らない。
「実験さ。俺はお前の事を性的な意味で好ましいと感じている。お前の臭いで抜けるほど興奮もする。これが直接の臭いだったら、どれだけか。一度……いや、これからは何度でも確かめてみたい」
卑怯だ、不意打ちだ。いい顔で笑う兄貴を見て、俺は不意にドキドキした。
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