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変態兄貴の実証実験(2)

 兄貴は宣言通り、俺の体をあちこち舐め回し、臭いを嗅いでいる。首筋は勿論だが、脇の下を執拗に嗅がれた時には羞恥心で顔が熱くて思わず手で顔を隠してしまった。  もう、お婿に行けない! 「いい匂いだ。汗の臭いに混じって、少し甘いような匂いがする」 「嘘……っ!」 「味はしょっぱいような、汗の味なんだがな」 「んぅぅ」  脇の下を舐められるのは恥ずかしいしくすぐったい。さっきからずっと体がビクビク震えている。体をよじるのだが、兄貴はそれでは離してくれない。がっちり組み敷かれている。 「そういえば祐介、知っているか?」 「な、に?」 「蚊は雌だけが吸血をする。そして世の中には蚊に刺されやすい人間と、刺されない人間がいる。この違いは何か、知っているか?」 「今この状況で言うことなの!!」  知らないし、何なら今それどころじゃないんだけれど!  俺の焦りをよそに、兄貴は物を教える口調で話しを進めた。 「足の裏にいる常在菌が関係しているという研究がある。常在菌が多様であればあるほど、蚊に刺されやすいそうだ」 「それが今なんになるの?」 「蚊は足の裏の臭いを嗅ぐと興奮し、自然界では一生に一度しか交尾をしないのにこの時は何度も交尾をするらしい。つまり、足の裏の臭いはそれだけの興奮物質が含まれているのかもしれない」 「なに……を?」  兄貴は俺の足を持ち上げると、あろうことか俺の足の裏を舐め始めた。 「ちょっと!!」  流石にそれは許容できない! 汗かいてるし、体洗ってないのに!  暴れてジタジタする俺を多少面倒に思ったのか、兄貴が俺の息子を握り、上下させる。途端、甘い痺れが腰に走って力が抜けた。 「祐介も男だな。このままもう少し大人しくしていてくれ」 「や、だってぇ…………っっ! あぁ、はぁ……」  足の指を一本ずつ丁寧に舐めながら、器用に片手で俺の息子を扱く兄貴。その手の慣れた感じが憎らしい。  俺も健全な男子高校生だ、快楽には弱い。オナニーくらいはするが、これは別物だ。腰全部が甘く痺れて熱くなって、ゾクゾクしたものが背中を駆け上がってくる。俺の扱き方と違うから余計に、知らない部分を教えられる。 「あぁ、はぁぁ……もっ、だめだってぇ」  背中をビクッ、ビクッと駆け上がってくる快楽。気持ちよさに力が抜けてしまう。  兄貴はそれをいいことに俺の体をあちこちまさぐっている。脇や乳首も。 「童貞か?」 「いい、じゃんかぁ」 「俺としては好ましい。だが、残念だな。立派なものがついているのに、未使用か」 「っ! んあぁぁ!」  先端を撫でるように刺激され、指先が先端をほじる。瞬間、ビリビリした快楽が走って、こみ上げた射精感のまま俺は吐精してしまった。  臭いが立ちこめて、なんだか俺まで変な気分になる。腰がビクビク震えて、余韻にまで犯されている気がした。 「たっぷりだな、しかも濃い。しばらく抜いてなかったのか?」 「あ……だって……」  家でだってそう簡単にそういうことはできない。隣は兄貴の部屋なんだから。  俺の出したもので汚れた手を見た兄貴が、涼しい顔でそれを舐め取る。それを見るとまた、腹の底が熱くなるのと同時に恥ずかしさに逃げ出したくなった。 「汚いから!」 「興奮する」 「変態!」 「自覚している」  こうなると次に出る言葉がない。俺は口ばかりをパクパクさせるしかなかった。 「さて、俺も引っ込みがつかなくなったな。困った」  まったく困っていない顔で言った兄貴の兄貴は、一度出してるにも関わらずバキバキに硬くなっている。これがもし、兄貴の言うフェロモンのせいだとしたら凄い効果じゃないか? 「兄貴、あの……するの?」  俺は縮こまる気分で聞いた。男子弓道部で、男が集まるとエロい話しがとりあえず出る。その中で、ふざけて出た話を思い出した。  男同士は、尻の穴使うんだぜ。ぜってー痔になる!  俺、今日から痔主になるの!!  涙目になる俺を見て、兄貴は僅かに考えている。そして何の前触れもなく俺の尻の穴に触れた。 「ぎゃぁぁ!」 「あぁ、これは無理だな」  兄貴の形のいい指が俺の尻穴をふにふに柔らかく揉む。そんなところを刺激されるなんて、小さな頃に座薬を入れられたくらいしか覚えていない。当然怖い。 「いい尻をしているが、硬いな。無理をしたら裂傷ができそうだ」 「無理! 無理だからやめよう!」 「あぁ、そうだな。今後少しずつ慣らそう」  とりあえず、処女は守った。だが危険は去っていないことに、俺は震えた。  兄貴は自分のものと俺のを一緒に握りこむと、上下に扱き始める。これがまた、気持ちよくて腰がまた痺れた。自分とは違う熱が擦れて、筋やカリ首やらも擦れる。 「こっちも、気持ちよくなれるらしいぞ」 「へ? やっ、やだぁ」  二人分の昂ぶりを扱きながら、兄貴は俺の乳首を舐めたり吸ったりする。ヌルヌルの舌と、熱い口の中で刺激されて、しかも下半身が立たないほど気持ちよくされて、俺はもうどこが気持ちいいのか分からなくなっていた。 「やっ、はぁぁん! もっ、気持ちいいよぉ!」 「あぁ、俺もだっ!」 「ひっ! ふあぁぁぁ!」  乳首もち○こも気持ちよすぎてバカになる。頭真っ白になって、俺はこみ上げる射精感に従った。  側で兄貴も同じように爆ぜる。二人分の白濁が腹の上に散っていった。  頭が真っ白のまま、ぼんやりとしている。余韻というか、魂抜けた感じがする。俺、実の兄貴とエロい事した。 「祐介」  妙に色気のある目をした兄貴が、俺にキスをする。口の中を探るみたいに舌が動いて、気持ちよくて余計に頭バカになった。 「今後も、俺の研究の手伝いしてくれるな?」  俺はこの命令に、多分逆らえない。呆然と頷いた俺に、兄貴はニッと嬉しそうに笑った。 END

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