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世間のいうイケメンは目鼻立ちがくっきりしており、脚が長くて顔が小さいのを指すことが多い。一九○センチのオレはその類に分類されるらしい。 「ホワイトプリンス!」 「……なに?」 生まれつき白髪のせいか入学と同時につけられたあだ名。あいにくだがオレは気に入ってない。しかもプリンスってやめて欲しい。 振り返るとツインテール姿のメイドの女子がいた。内股でモジモジさせ、あーだのうーだの言ってる。呆れる。言いたいことはハッキリ言えばいいのに。もう一度「だからなに?」と催促した。 「その…、私たちのお店に入りませんか!?」 「いやいや、それならアタシのところが!」 「こっちは半額…いや、タダにしますよ!」 どこから出てきたのかゾンビメイクの子やスポーティーな格好をした子も集まり、キャッキャと騒ぐ小鳥たち(いや、失礼)がオレの腕や服を引っ張る。痛い。 だが、イケメンには特権がある。そのせいで恋人も選り取りみどりと呼ばれるのかもしれないが。 「すみません。オレ、大事な人を待たせているんで。けど、誘って貰って嬉しかったよ。あと、喧嘩しちゃ可愛い姿が台無しだから……ね。」 「「きゃあああ!!!!」」 (あー……痛かった) オレはズレたグレーのブレザーを直し、あの子が待つ場所へと向かった。

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